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第101話 「WTCCルックへ〜フロントスポイラーの加工依頼」

(作成:2006年9月20日 改訂:2006年9月21日)

(TEXT & PHOTO : 中橋 / E90-320si & MINI Cooper Convertible)


さて、今回は、320si WTCCルックフロントスポイラーのポイント紹介です。
WTCCルックを目指す人の参考になればと思います。



■リップ部分

まず真正面から見たときの最大のポイントは、リップ部分をフラットに仕上げること、にあります。


 BMW


赤い矢印部分に注目してください。


 BMW


ノーマルM-Sportはこの状態。
3Dリップがこのポイントをクリアーしてくれるわけです。
もちろんダクトの高さも整えるべくセンター部分を加工する必要も出てきます。
センター部分が左右と高さをそろえないと、深すぎるのです。
3Dリップスムージング取り付けとの最大の違いがここにあります。



■ダクト形状

意外と気がつかないのがダクトの深さ。


 BMW


これは初期型のプレゼンテーション320si WTCCの左右ダクト部分です。
赤い矢印の部分を見ると、深めのデザインですよね?


 BMW


お手本にしたい実戦投入された320si WTCCのダクトの深さは実は異なっています。
とても浅い位置にグリルが取り付けられているのがわかるかと思います。
こんな小さな違いにいちいちハァハァするのがエスアイ乗りな感じです。


 BMW


念のためノーマルM-Sportがどうなっているかといえば、 どうなっているかといえば、こんな感じ。
フォグをとって、ダクト入り口付近を浅くする処置が必要になるわけです。



■ダクトのグリル部分

さらに、なんと左右のダクトの黒い部分はグリルではなく、フタ!


 BMW


空気は十分にセンターから取り込めているのでしょうか。WTCCマシンはここはフタになってます。
320siはこの部分はブレーキ冷却の入り口もあり、ふさいでしまって問題がありそうな予感でした。
後日BOB師匠に確認したところ「やめたほうがよさげ」とのこと。

ブレーキに影響を出してまで見た目を追及するのもどうかと思うので、
この部分は極力細かめのメッシュで埋めてもらうようにお願いしました。


 BMW


またセンターグリルも縦横水平の金網のようなグリルになっています。
このあたりもできる限り似せたいところです。



■バンパーの面

ここは最初気がつかなかったマニアックな違いです。
よく見てください。バンパーの面の高さが違っているのです。


 BMW


これがWTCCマシンの処理です。
赤い矢印の部分を見ると非常に段差が少ないです。


 BMW


ところがノーマルはこのとおり、段差が激しいのです。
ここもパテで修正しておく必要がありますよね?

さらに我が家の場合、ナンバープレートステーも邪魔な感じ。



■サイド部分

フロントビューだけでなく、サイドから見たときの印象がまるで違っています。


 BMW


ダクトの浅さとあいまって、すっきりしたサイドビューです。


 BMW


M-Sportではこの部分はかなり複雑なデザインになっているので、シンプルに仕上げたくなります。
真ん中のダクトが下に出っ張っていること、ダクトが深いことが大きく印象を変えています。
当然すっきりしたサイドを目指したいところです。



■フェンダー部分

大きく印象を変える部分としてフェンダーにつながるラインがあります。


 BMW


赤い矢印のラインに注目です。
ライト前のラインはフェンダーにきれいに流れていきます。
ここがもっとも320siをWTCC風にしているポイントじゃないかとBOB師匠と以前から話していたところです。


 BMW


ノーマルはフロントヘッドライトに沿ってつりあがってしまうのです。
カーブ、面の処理が全く違うデザインなんです・・・
ヘッドライトウォッシャーもない方がすっきりしそうです。


 BMW


ちなみにノーマルバンパーのラインはこんな感じ。
M-Sportや320si WTCCと違ってゆるいエッジがフェンダーの途中でサイドに流れて終わる感じです。



ということで、これらの320si WTCCの特徴を取り込むべく、ワンオフでバンパーを作成依頼しました。
依頼内容をまとめると、

・3Dリップをスムージングして取り付ける。
・左右およびセンターのダクトの高さを整える。
・ダクトの深さを浅して、グリルを取り付ける。
・ノーマルダクトではなくそれらしいメッシュのダクトに換装する。
・フォグランプは取り外す。
・バンパーの面を整える。
・フェンダーにつながるラインは、できる範囲でそれらしく作り直す。
・フロントナンバープレート(ユーロ仕様)をはずす。
・フロントヘッドランプウォッシャーが(ランプの前の四角い蓋)もWTCCマシンにはついてないのではずす。

というものです。

一言で言えば、「できる限り「320si WTCC」っぽくしてください」ということですね。

いきなり、ちょっとした加工の域を超越してしまってる気がしますが、ホンモノパーツ買うよりは安い・・・はず(爆)
作業の役に立つよう、大量の320si WTCC関連写真を資料にまとめて提出。
マニアックなミーティングの後、数週間エスアイをスタディさんに入院させました。

蛇足ですが、あえてわかっていて作業依頼をしなかった部分は以下のとおり。

・WTCCレースマシンで使われている牽引フックはそれらしいものが市販されておらずいじらないことに。
 (将来の課題へ)
・バンパーにフタのようなものがついているがこれは再現しない。
 (ほとんどの人は気がついてないだろうから、ここまで凝らなくていいや・・・)

ということで、これからナローボディーのまま極力WTCCルック化計画を推し進めていきますので、お楽しみに!

次回、ワンオフバンパー作成作業の様子を紹介!


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