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第48話 「本編10『脚交換』」

(作成:2001年3月28日 改訂:2001年7月30日)

(TEXT : 宮田 / E36-M3 )

脚を交換しました。当初は///M3純正を入れる予定 でしたが、 SFWの適用に不満を抱いたので、それならば...ということで社外品にしました。

それも思いきってオーダーメードの脚...いわゆるワンオフというモノです。
 
そもそも脚を交換しようと考えたのは、昨年秋くらいから乗り心地が悪くなってきて、 その感じが自分では許せないほどのレベルになってきたからなのです。
どう悪くなってきたかというと、感覚的なことを文章にすることは難しいので、 うまく表現できないかもしれませんが、凹凸を拾いその情報が伝わり体感できるのですが、 その初期情報を追っかけてきて伝わる情報が尾を引いてるような気がしてたのです。
凹凸を拾ってその収束が遅く感じて、収束前にまた次の凹凸を拾いその収束も遅い...
それが重なっているので、なんだか必要以上に拾っているような...
(う〜ん...やっぱうまく表現できないなぁ...)
いわゆるこれが脚がヘタった状態なのか分からないものの、走行距離が4万km近いことあり、 そろそろデフォルト純正脚も交換ではないかと思っていたのです。
ただ、これがヘタってたとしたらどのレベルなのかは分からなかったのですが、 運良く?純正脚を交換したばかりの///M3('97年式)に乗る 機会があり、 それに試乗させてもらうと、同じ純正脚とはいえ、自分の脚とは全く別モノだったのです。
シャキっ!とした乗り味。路面の凹凸を拾った後の上手い処理。剛性感ある硬さ。等...
何もかもが違う印象でした。これで自分の脚がかなり末期??状態にきてるのでは ないかと思い、その旨をディーラで伝え、SFWでの純正脚の交換を申し出たところ、 不意にも断られ、やむなく純正脚を諦めざるをえない状態になったのです。
(純正脚は実際に見積りを取ると、社外品が楽に買える値段ほどする。)
(また、交渉段階に於いてSFWの適用範囲に不満を抱いたので、純正脚はパスするこ とにしました。その辺りについては別機会に触れてみたいと思います。)

本来ならば、脚周りを変える際には、車全体のバランスを崩したくないので ホイル/タイヤ→ブレーキ→サスペンション(脚)という順序を考えてたのですが、
(ブレーキを強化するためにホイルを変える。→ブレーキ強化→ホイル/タイヤを 変えた分のバランスを取り直すために脚を組む。)
背に腹は変えられない。ということで脚から変えなくてはならないことになってし まいました。
ただ脚が先になってしまった分、将来性も考えた脚にしなければならない...
ということも考慮する必要があり、そこが今回のツボ(脚のツボ??)になったのです。

・・・で社外品で選ばなくてはならないのですが、これまで多くの方の 非純正(いわゆるチューナーもの)脚を付けた///M3に試乗させて頂い たのですが、ポイントポイントではいいものの、自分の使用条件で全てを満足させてくれるか...
というところで、ど〜も自分の好みに合うのがなかった...というのが本音だったのです。
・・・で、どんなのが自分の好みかというと...


 ●硬さの中にもしなやかさを持ち、乗り心地を悪くしない。

 ●路面の凹凸の大部分を脚で吸収してくれる。

 ●それでいて路面の情報はしっかりとドライバーに伝える。

 ●ロードユースがメインだけど、遊び走行のサーキットユースにも使うこともできる。

 ●ブレーキのチョイ踏みでは前後に姿勢を乱さない。

 ●ロールは多少のGでは挙動を乱さず、Gがかかるほどに量を増し、粘る。

  とはいえ限界点がどの辺か分かる。

 ●ストロークは純正ほどでもなくとも必要十分にある。

 ●できれば安価...(これは定番!!)

といったところでしょうか。
ロール特性については下のグラフのようなイメージでいます。


 M3


またしても“希望”ではなく“無謀”とも呼べる好みですが、こんな無謀話を どこに相談したらいいのか分からず、いつもの?BMW駆け込み寺ともいえる? Studieの鈴木社長にダメ元で相談したところ、
「宮田さん、そういうの待ってたんですよぉ!」←・・・(=_=;・・・なんか悪い予感...
「思いきってワンオフのオーダーメイド脚 にしてみませんか?」
うぉぉぉぉ〜〜〜〜っっっっ!!!! 出たぁぁぁぁ〜〜〜〜っっっっ!!!!
思いもよらぬ回答!!
とはいえ、よく話を聞いてみると、どうやら自分の希望(無謀)+αのことができるとのこと。
メーカはカーボンリップでお世話になった3D Design。
予算的にもチューナー脚+αで自分の好みの脚が出来るということなので納得。
(納得までは時間を要しましたが...)
納得ついでに(ついでにするなって!)+αのリクエストを追加してみることにしました。


 ●後部席に人を乗せる機会があるので、リアの乗り心地も悪くしたくない。

 ●長時間運転しても疲れにくい。

 ●ALPINAみたいな猫脚で、それでいて///M3純正のような剛性感。

 ●現状はノーマルホイルだが、将来的にホイルを交換する際にも流用できる。
  (ホイルは17inchにしても18inchにしても軽量化を狙うので、
   そのときにも同じような乗り味の脚であってほしい。
   ・・・とはいえ、ホイルを変えるのはいつになるか...)

 ●路面の凹凸やギャップを乗り越えるときにもバタつきが少ない。

 ●フロント/リアの車高はM3B程度。
  (M3Cはフロントの車高がM3Bよりも15mmくらい高い。リアはほぼ同じ。
   なので両車を比べるとM3Bの方が前傾姿勢になっている。
   言い換えると、M3Cはアゴが上がってるように見える。)

 ●車高調整式でなくても良いが、後で車高を若干変えられる方がいい。

・・・とこんな具合なんですが、+αには納まってないかも...
自分で書いてて相反する両方の性格を持つ脚...
果たしてそしてそんな絶妙なセッティングができるのだろうか...
と思ったものの、出来ればラッキー!程度に軽く考えてました。
ここで車高調整式でなくても良い。というのはショックアブソーバの減衰力が変化するとなると、 デフォルトの乗り味がどの段階でヘタってるのかが分かり難くなってしまうことを恐れたからです。
・・・とカッコ良く書いたものの、本音のところは、鈍感な私にもヘタりが分かり易い方がいい...
&グータラな私には、車高を変化させるようなことはないだろう...ということなんです。
またM3Cの場合、M3Bに比べて加減速時の初期挙動のノーズダイブ量が大きく、 これは改善したいとも考えてました。

・・・でオーダーしてから待つこと3週間(早いっ!)、鈴木社長から
「宮田SPECIALの3D Design車高調整式サスペンションキットが仕上がりました。」
というメールが届き、仕事の合間を見てStudieへ。
いつものごとく??ニヤニヤしている鈴木社長。そして品定め。
なんと!モノはピカピカ光るゴールド! そして、どうです。純正との可動部太さの違い。
黄色や赤、黒もいいけど、ゴールドって如何にも剛性(豪勢?)感がありそうではないですか。


 M3脚画


 M3比較画像


E46-M3のイメージカラー...オリンピックの最も高い表彰台のメダル...
相場変化の少ない金属...よ〜し、これからはこの色だぁっ!...
なんて訳の分からないことが頭の中を駆け巡りましたが、 宮号に装着してみないことには、なんとも判断しがたいところがあります。
ということで装着に関してはブッシュも新品にしました。

数字的には、フロント:7kg/mm、リア:10kg/mmのバネレートですが、 数字では見えない(感じない)部分にオーダーメイドの隠し味があるそうです。
・・・で乗り味ですが、思わず「おぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!!」っと 叫んでしまうほど??、いや運転中は叫ばないのでニヤニヤしてしまうほど (叫ぶより危ないヤツに見られるかもしれない...(=_=;...)
絶妙なセッティングではないですかっ! ブッシュが新品なので多少ゴツゴツ感は あるものの、馴染んでくることを想定すると、確実に脚で凹凸を吸収し、必要な情報だけを ドライバーに伝えているのが手にとるように分かるのです。
そしてチョイブレーキやちょっとしたコーナーでは姿勢変化をほとんど変えずに スッ・・・と停まり、そして曲がってくれる...
この感覚、グラフで表現したり、言葉で書くのはあっけないけど、 体感的にはスンゴク気持ちいいのです。
それでいて、ブレーキ踏力が大きい場合やコーナーでのG量が大きい場合は その大きさに応じて姿勢を変えてくれるのです。
この辺りがチューナーものでは味わえなかった感覚なのです。
そして、単に硬いだけではなく、剛性感ある硬さで、しかもその中にもしなやかさを 兼ね備えているので、乗り心地も◎です。
そんなこんなで、自分の描いてた理想の脚に限りなく近い仕上がりになっているのが ホントに驚きです。思わず“美脚”と呼びたくなるくらい...
(↑↑相変わらずの自画自賛バカです。↑↑)
それと、車高調整式ですが、現在は個人的好みのM3B程度になっているので しばらくは車高を変えることはないだろうと考えてます。
車高を変えるときは・・・情報交換をしにStudieに行こうと思ってます。
(グータラなことが起因している...)

そうそう、この脚、オーバーホールも可能なので環境にも優しい(のかな?)とい うことも最後に付け加えておきます。
純正/チューナーものの脚で全てを満足してない方にはオーダーメイド脚、是非お 薦めですよ。



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今回、この脚をNo.2145のIKEさんに試乗してそのインプレを綴って頂きました。
IKEさんはアブスブルーのM3B Limousineを新車で購入。'99〜'00年にかけて
Idingチューンを施し、今はIding M3 Stage IIと進化しています。
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IKE記

門外漢の味見...
所は宮ヶ瀬、時は3/11、東横オフミリベンジにて、宮号新脚を味わう事になりました。
幸いな事に、宮ヶ瀬はダム周辺でワィンディング続き。
そこそこのペースで30分ばかり操った感想を普段の“足”であるiding号を基準に一言。

まず直進...
まず、ダンピングが効いていながらしなやかな乗り心地、これがファーストインプレッション。
次いで、快適性、直進性のレベルが高く、御主なかなかやるなと、これがセカンド インプレッション。
少し走ると不整路面に出会い、“タンタンタン”とサスペンションが的確に動く様 を経験し賢い奴と印象がプラスされる。フムフム、初期の応答も渋る事の無い精度を持って いるようじゃ。

さてワィンディングセクション...
最初の300R程度のコーナーでは、しなやかさがレベルの高いロードホールディングを 齎している感覚をお尻で感じながら、S字へ入ると、フロントの入りが早すぎもせずに 丁度良い事が分る、おまけにロールがマネイジされている事に嬉しくなり少しアド レナリンを分泌。
とりわけ、初期ロールから続くサスの縮んで行く速度の適切さが大きな安心感を与 えてくれるので、更にアクセルを踏む。その結果、全体としては弱アンダーの安心感が 高いコーナーリングを楽しめる親しみ易い性格が与えられています。
かなりIQの高い脚でした。

一言...
装着タイヤのグリップが極めて高いのも相俟って、トラクションの掛かり具合には感嘆。
逆に、コントロール性の高いタイヤを宮脚に組合わせたりすると、遊びながら振り回し、 更にアドレナリンが出るかも。
それからサスが決まるとブレーキの減速感は上がります !
少し馴染んできた頃にもう一度、味見してみたい〜。

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IKEさん、ありがとうございました。<(_ _)>


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