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第15話 「山猫も夏の装い?」

(作成:2001年10月26日 改訂:2001年10月27日)

(TEXT & PHOTO : kuma3 / E21-320i )


 “バイエルンの山猫” E-21系320iA 再生物語
Vol.5:‘93年8月号 『山猫も夏の装い?』




 梅雨も明け、窓から吹き込む風の匂いも春から夏へと移り変わる頃、峠道を流してみると、 エンジンの排気音もどこかに力強さが感じられる。A/Tというせいもあってフットブレーキを 酷使しすぎたか、ホイールの汚れ方が尋常ではない。片側1枚だけが斜めに片減りし、一番 薄い所では1mmあるかないか…。これじゃ、いくらなんでも酷すぎる。キャリパーを オーバーホールし、行きつけのショップで勧められたPBRのパッドを入れてみた。 かっちりした踏み応えが、実に頼もしく思え、効きも納得のいくものだったから、口元が 自然とほころびてしまう。

@この車にはA/Cと同じベルトで駆動されている「二次空気ポンプ」がエンジン左側に 取り付けられています。内部は板状のベークライトで出来た弁が出入りしながら偏心状態 で回転してます。(後期型のパワステ付き車では油圧ポンプが付く) これの作動がかなり重いので、分解して弁と軸を取り外し、プーリーが空転するようにしました。 いっそのこと、本体を取り外すことも考えましたが、Vol4の『個体差』のようなことがあるので、 一応、形だけついた状態にしています。二次空気はEx.マニへ入りますが、現在はマニごと 換装したので、配管はIn.マニ下へ隠しています。

 塩ビ管アダプタを使ってのホイールセンター合せをやめ、仮締め状態でジャッキアップし、 ホイールのエッジかタイヤのサイド側のラインにスタンドに取り付けた鉛筆を当てて、タイヤ を手で回しながら振れ具合をみて、センターを合せながら徐々に締め込んで合せるように したのと、今まで5mm×2枚重ねで入れていたスペーサーを10mm厚1枚(Mini用を流用)に したのとで、何とか巡航速度100km/hには入ったものの、まだ本来のグリップ感には程 遠い状態でした。

 普通なら、ここで足回りの故障探求を徹底するのでしょうが、いくら悩んでもきりがないので FRだからこんなもんなんだ(全国のBMWファンの皆様、ごめんなさい!)と割り切る事にして、 次に考えた事は…車との一体感を高めること!。男性にしては小柄な私が100kg超級の ドイツ人のお尻を抱きとめるのと同じシートに座っても、コーナーごとにズレまくるし車の姿勢 変化もわかるわけない。(あっ、あんまりな言い方だー。そんな激しく攻められないくせに…320iより) バケットシートを組むにあたり考えた事は、

1.お尻が適度にハマり込み、長時間の運転を優しく支えてくれる。

2.建て前は“ファミリーカー”なので背もたれ部分が前傾可能で、後席への乗り降りを妨げない。

3.車内はいずれ黒と青でコーディネイトしたかったので、ピンクや黄色系は却下。

4.もちろん適度なお値段である事。本革やヒーターは要らない。

…でケーニッヒのP400(黒)に決定。(何だかんだ言っても、やっぱりドイツのイスなんだ! …再び320iより)しかも、一度に2脚は買えないので片方ずつ購入し、同時にシュロスの 4点ハーネス(青/黒)も購入し、いざ出発。


ファミリー・カーらしい軟派な バケットシートになりました?。



コットン100%のシートカバーを自作。サテンリボン製Mテクは、反則かな? (サテンテープにアイロンを当てると溶けます!当て布をしてごく弱く)

 確かに車の荷重移動がつかみやすくはなった気がする。しかし、それ以上に今まで だましだまし乗っていた速度域でも車体の微小な振動が発生しているのがわかったのが、 怖い。単に、へたりながらも肉厚なシート座面と鈍感な神経のせいで気にならなくなって いただけの事だったのだ。 いつかはマトモな状態に…きっと…。

〜 続く 〜


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