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第5話 「電子式か機械式か(その2)」

(作成:2004年6月25日 改訂:2004年6月26日)

(TEXT : Bryce / E36-318is)


前回、機械式と電子式の精度について、「追加メーターという用途であれば精度は電子式も機械式も同じ」と書きましたが、 この点について日本精機さんよりコメントを頂きました。

以下で触れられている通り、各メーカーによって仕様や設計思想が異なるとは思いますが、一つの考え方として参考になる 情報でしたので、ご了解を頂き、内容を一部編集してご紹介させて頂きます。
機械式と電子式の精度についてですが、当社と致しましては、少なくとも当社製品に関しては機械式より 電子式の方が精度が良いと考えています。

機械式は、圧力や熱と言った変化を機械的に指針軸の回転に変換します。その為、調整を行う際に実際に圧力や 熱を与えて調整を行うのですが、調整作業に時間をかけたり、作業者の技術が熟練することにより、調整ポイントでは 非常に高い精度で指示させることが出来ます。

しかし、必ずしも調整ポイント以外の全域で精度が高いとは限りません。それは、メーター内の各部品が持つ誤差などにより、 すべての部品が全域にわたって機械的にリニアな変化をしてくれる訳ではない為です。

電子式についてですが、ご存知の通り、圧力や熱等をセンサーで電気信号に変換し、メータ−はその信号により指示します。 電子式も機械式と同様にそれぞれの部品で当然誤差は持っていますが、調整ポイント以外で誤差が大きいということはありません。 メーターを販売しているメーカーにより、メーターの仕様や設計思想が異なりますので一概に電子式の方が性能が良いとは 言い切れない部分はございますが、少なくとも当社製のメーターは機械式と同等とは考えていません。

電子式の出始めの頃は(当然他社製品です)メーター内のムーブメント駆動トルクがかなり小さく、機械式の方が性能が 良かった時代がございましたが、現在ではある程度のメーターメーカーが販売する製品であれば、電子式が機械式より 性能的には上のようです。(一部例外もあるようですが)

なお、機械式でないメーターには、「電気式」と「電子式」があります。

電気式は、センサーに流れる電流変化で、直接メーターを動かすタイプです。純正メーターで、一般的に水温計や 燃料計で使われています。機構的に、最大でも90°の角度でしか針を振らせることが出来ません。 一方、電子式は大部分がマイコンで制御しますので振れ角は大きく、さらに目盛りが均等になっています。 また、ピークやリプレイ、ワーニングといった付加機能が特長です。
最初に書いた通り、メーカーによっても考え方が異なるのでしょうが、どこを探しても書いていない、 普段聞けない様なお話だったのでご紹介させて頂きました。

ということで、今回私が使ったVDOのメーターは、この分類で言うと「電子式」ではなく「電気式」ですね。


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