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第6話 「身勝手な不満」
(作成:2005年7月22日 改訂:2005年7月23日)
(TEXT : Haruyuki / E24-635csi)
635csiは所有していることで大きな満足感がありました。
生き物を飼っているような感覚、美しいデザインを惚れ惚れと眺める時間、
ふとしたきっかけで話しかけられる時、「綺麗に乗ってますね、何年式ですか?」、などなど。
また、居住性や維持費は当初から分かっていたことで、特に問題は感じていませんでした。
ただひとつ、予想と違ったのが、肝心の走りに満足できないことでした。
実はかなり早い段階から、走りが物足りないことには気づいていました。
普通に街なかを走っている時にエンジンを回せないというか、回しても楽しくないのです。
ギア比が高すぎる?、やはりATは性に合わない?、パワーが足りない?、ぼんやりとした不満でした。
私の場合、サーキットや峠を攻めるわけではないので、街乗りが楽しいことが大切です。
街なかをのんびり走ってもワクワクできる、そんな理想があり、全てのBMWはそういう
クルマだろうという思い込みもありました。
天下のBMWの、名車の誉れ高い635csiの走りを批判するとは、
後ろから石を投げられそうですが、これは悪いのは車ではなく私なのです。
車のオリジナルスペックは、メーカーの開発者が与えられた
条件の中でぎりぎりのバランスを追求して生まれたものですよね。
これは尊重されるべきだと個人的には考えています。
635は低回転でゆったりとした重厚な乗り味が本来の姿であり、それを目指して開発されたのでしょう。
私がそれを不満に思うのは私の身勝手というもので、スタイルの美しさだけに目を奪われて、
買う前に本来の姿を理解できなかった不明を恥じ入るばかりです。
もうひとつ言えば、自分で自分の好みをよく分かっていなかったのかもしれません。
我が家の635には何の罪もなく、オーナーの身勝手な不満は迷惑以外の何者でもなかったでしょう。
結局は、メーカーの開発意図が私が求めるものと違っていたという単純な話です。
しかし、そのことに気がついてしまった時から、ネガティブな発想が出てくるようになりました。
「美しさと所有の満足感」が大きいけれど、居住性や維持費など、犠牲にしているものも大きい。
その上、走りが楽しくなくてBMWに乗っている意味があるのなあ???
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