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第5話 「WTCCホモロゲーションモデルE90-320si〜その1」
(作成:2006年2月13日 改訂:2006年2月14日)
(TEXT & PHOTO : 中橋 / E36 M3 & MINI)
E90-320si、あまりにマニアックな車種なのでここで一度その情報をまとめてみました。
まずエンジンの違いから。
↑これがノーマルのN42B20Bエンジンです。
■エンジン
320iで採用する排気量2リッターの直列4気筒をベースにしたスペシャルエンジンを搭載。
レースで多用する高回転域での性能が高めるための変更点は下記のとおり。
・吸気弁/排気弁の拡大
吸排気効率を高める。
・ボア/ストロークの変更
シリンダーボアを1mmアップして85mm、ストロークは2mmマイナスして88mmによりし高回転型に。
・圧縮比アップ
10.5から11.0に変更。
・バルブトロニックの取り外し
より高回転域での性能に特化およびFIAレギュレーションに対応すべく、従来のスロットル方式に。
・シリンダーブロック
ピストンが接触するシリンダーライナーをねずみ鋳鉄製から特殊アルミニウム合金製に素材変更。
・シリンダーヘッド
F1用エンジンブロックと同じランツフートのBMW鋳物工場で鋳造される。
・シリンダーヘッドカバー
カーボンファイバー(CFRP・炭素繊維強化樹脂)を採用。
結果、車両の低重心化および10kgの軽量化を図る。
・手作業による組み立て
イギリス・コベントリーに近いハムズ・ホールにあるBMWエンジン生産工場で手作業で組み立て。
予想以上に手間がかかってませんか、これ!
エンジン搭載するとこんな感じです。
もちろん、上が320si、下が320iですね。
■パフォーマンス
・最高出力
127kW(173ps)/7000rpm(レッドゾーン7,300 rpm!)
ノーマルは150psで、23ps向上。
・最大トルク
200N・m(20.4kgm)/4250rpm
ノーマルは20.4kgm/3,600rpmで、最大トルクは同じで発生回転数が高くなった。
・最高速度
225km/h
ノーマルは220km/hで、5km/h向上。
・0-100km/h加速
8.1秒
ノーマルは9.0秒で、0.9秒短縮。
・排ガス規制
レース仕様でありながら、EU4排ガス規制適合
・・・次回エンジン以外の320siの特徴を。
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