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第32話 「エンジンオーバーホール その2」

(作成:1998年8月22日 改訂:1998年10月12日)

(TEXT & PHOTO : M / E36 325i IDING 3.0 & E36-M3 IDING M3-S2)


エンジン内部を開けピストンや燃焼室を見ると、オーナーの乗り方がわかるといいます。
エンジンをどのように使っているか、という履歴がきっちり残り、隠しようがありません。
ピストンヘッドの焼け方やカーボンの付き方を見るようです。
僕の普段の使用状況は「高速道路」が主で、使う回転域も意識して高回転側を使います。
ATの5速は滅多に使用せず、主に3速4速を使いました。
IDING−M50エンジンの性格は高回転を好み、4000rpmからが、いわゆる 「おいしい部分」になります。3.0Lの為、低回転側のトルクもあり、 5速100qから加速しない、なんて事はありません。
2600rpm前後にいくらか「トルクの谷」があるようで、この回転域は 上の方と比べると、もたつき気味です。


■IDING M50 S3 3.0L エンジンスペック

タイプ       M50(IDB630G)
排気量       2956cc
ボア×ストローク 85.5×85.8mm
圧縮比       10.5:1
最高出力      258.8ps/5900rpm
最大トルク     33.0kg-m/4700rpm
最大許容回転数  7500rpm

エンジンスペシャリスト集団のIDINGからは、がんがん回すように言われましたが、 なかなかそうもいかず、今回のオーバーホールがオーナーを試されているようで、 気恥ずかしいものでした。


さてエンジン内部各部の状況です。


「燃焼室」
カーボンが層を成していると思ったのですが、これが意外に少なくビックリしました。

「ピストン」
ピストンヘッドはグレーがかり、カーボンたい積もなく、首振り方向のスカート部分も 摩耗は見られませんでした。
ピストンサイドの表面処理の微粒面もそのままのこり、トップリングの テーパー状のあたりが残り少ないと言うくらいです。

「シリンダー」
摩耗痕や段付きなどは全く見られず、むしろホーニング痕が残っているくらいです。

「メタル」
クランクメタルやコンロッドメタルも極めてきれいな状態で、オイル切れのあとや 線条痕も見られませんでした。


■IDINGの評価

各パーツは詳細な計測後交換パーツを決めますが、IDINGからはこのまま 5〜6万キロは問題なく使用可能な状態、との判断をもらいました。
エンジンの使い方も問題なく、燃焼室の焼け具合からはお褒めの言葉をいただき、 僕としてはホッとしたのが本音です。



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