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第39話 「ステップトロニックと私」

(作成:2004年11月28日 改訂:2004年12月27日)

(TEXT & PHOTO : 江工作 / Z3)


クラッチ操作なしで,セレクタを前に押すとシフトアップ,後ろに引くとシフトダウン.
ステップトロニック.それは,私にZ3購入を決断させたと言っても過言ではない秘密兵器.
普段は楽チンなAT車を,セレクタをあのポジションに移動させることによって私を非日常の世界へと誘う,禁断のデバイス.のはずだったのですが….


Z3


今やマニュアルモード付きのトルコンATなんざ珍しくもないわけですが,免許取りたての頃はまだミツビシFTOくらいにしかなく,「いつか必ずア レがついた車に乗るんだ!」とずっと憧れてたんです.やがて時は流れ,ついに念願のステップトロニックがこの手に!
…しかし,実はひとつだけ気になる部分があったのですが,どうせすぐ慣れるだろうと始めはタカをくくっていたのです.

その「気になる部分」とは…セレクタを前に押すとシフトアップ,後ろに引くとシフトダウン.
どうもいけません.一ヶ月が経ち,二ヶ月が過ぎ,そして半年を経てもいっこうに慣れないどころか,かえってストレスを感じます.
これには個人差や考え方もあるでしょうけど.
そう,シフトアップとダウンが逆なのです.加減速時,乗員へのGのかかる方向と,セレクタの動きが全く逆.不自然この上ありません.
ですがこの頃のステップトロニックはみんなこうです.
恐らく,通常のATでは一番手前にLレンジがあるため,混乱を避けるためにあえて「手前側をシフトダウン」にしたものと勝手に 想像しています(車が前に加速するから前がシフトアップ,ダウンはその逆,という考えもあるらしいです).
E46の3シリーズはマイナーチェンジと同時に全車ステップトロニック標準装備となりましたが,この時にシフトアップとダウンもパターンも適正な ものになりました.うらやましい.

前置きがずいぶん長くなってしまいましたが,本題です.
ある雨の日,ディーラーでZ4に試乗する機会があったので,ここぞとばかりに適正なステップトロニックのパターンを体験したところ,一発目から 自然な操作感覚!これこれ,やはりこうでなくちゃ.どうせ電気のスイッチなんだから,配線つなぎかえれば済む話.
早速そのディーラーに工事を依頼してみたところ,予想通り「保障できないから正規ディーラーとしては作業できない」との返答.

そんな折,BMWおたっきーずの掲示板に悩みを打ち明けたところ,「スタディのようなショップなら3,000円くらいでやってくれる」とのアドバイス をいただきました.なんとありがたいお言葉なのでしょう.

しかし,ここはみちのく.そんなショップなんて…と思っていたら,BMWおたっきーずのトップページに「スタディ仙台オープン」の文字を発見!
パソコンの画面に向かって思わずウヒョ〜とか叫んでしまいました.しかもけっこう近所です.早速,車を持ち込んで作業を依頼しました.

使ってみた感想は…大袈裟に言えば「車を買ったがアクセルとブレーキのペダルが逆で,それを元に戻した」「逆にステアするハンドルを元に戻し た」くらいのインパクトがありました.
不自然なものが自然に帰っただけなんですけどね.ステップトロニックのパターンに不満がある方は,是非試してみることをお薦めします.
ただしトラブルに関しては自己責任ですが.なお,私の車はつなぎかえてから一年以上過ぎましたが何もトラブル は出ていません.車検もOKです.

唯一の心残りといえば,パネルの「+」「−」の表示が逆になってしまったこと,でしょうか….


Z3


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