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第8話 「購入物語 ―パート7―」

(作成:1997年3月18日 改訂:1997年7月12日)

(TEXT :O−chan / E36-318is)
★そして納車★
購入決定から2週間後、納車の日がやってきました。
あの営業さんが私の家まで乗ってきてくれるのです。

…『これから伺います。』

ようやく待ちに待ったTELがかかってきました。
ディーラーから家まで約30分。
長い長い待ち時間です。20分もしない内に、 何度も何度も外に出て確認します。

…『まだかなぁ、遅いなぁ』

何処から見ても子供状態です。
でも仕方ありません。
私のBMWが来るのです。自分のです。
人生賭けて買った私の車が来るのです。

遠くにチラッと車が見えました。
色は……シルバーだ!
『俺のだ、俺のだ、俺のBMWが来たぞ!』
車は次第に近づき、シルバーボディのフルエアロ車が どんどん私に近づいてきます。

『すいません、お待たせしました。』
営業さんは窓を開けて言いました。
ゆっくりと丁寧に車庫に入れはじめました。
MT車であることを誇示するように『ブォッ、ブォッ』とクラッチの断続音 を周囲に響かせた。
私はただ呆然とその光景を眺めていた。

……なんてカッコいいんだ!すごいよ、いいよ、バツグンだよ!

エンジンを切って営業さんが下りてきた。
窓が開く一瞬、フロントガラスが少しだけ下がるのを見逃さなかった。
『あ、この瞬間がクーペだね!』なんて言ったわけじゃないけど、 なんとなくうれしい気分だ!
営業さんが何かを語りそうなのを完全に無視するかのように 車の周りを一周した。

……なんてカッコいいエアロなんだ!

塗装工程の為、リヤスポは少々遅れるとのこと。
とりあえず代わりに純正オプションカラログに載ってる 普通のリヤスポを装着してくれた。
そして操作法についてのレクチャーを受けた。
ほとんど上の空だったけど。
家に上がってもらい、しばらく雑談した後、営業さんは帰りました。

玄関の目の前の駐車場で、私の318isは冬の寒さで金属が冷却されて、 キンキンと鳴っていた。
新車時に下回りに塗ってあるというワックスが焼ける臭いが漂っていた。
まるでその存在をアピールするかように、音と臭いで私を呼んだ。
『だいじょうぶ。ここにいるよ。今日から俺がパートナーだよ、よろしくね』
そう、心の中でつぶやくと、ようやく自分の車のように感じてきた。

『さて、ちょっと動かしてみるか』
中に入り、キーを差し込む。先ほど営業さんが乗ってきたばかりなので暖気はOK。
少しひねってみる。
『キーン、キーン、キーン!』
BM自慢のチェック機能の作動音がした。
当然、オイルチェックはフルマークだ。

もうひとひねりすると、エンジンは簡単に始動した。
『トゥルルルル』
静かな静かなアイドリング音だった。
インパル号の爆音とは雲泥の差である。
上品で清潔感のあるアイドリング音に感じた。
ギヤを1速に入れ、駐車場を出た。
『慣らし運転しないとなぁ』
と思ったところで気が付いた。
そうか、この車、慣らし運転しなきゃいけないんだ!

…BMWを新車で買って慣らし運転する…

なんて贅沢なんだ。なんて幸せなんだ。

今日から始まるBMWライフ。
きっとすばらしい人生になるでしょう。
勇気を出して新車を買った。
勇気を出して勝負した。
これは紛れもない事実なんだ。
俺は今、BMWオーナーになった。
そうだ、そうなんだ。胸を張って言おうじゃないか。

『私はBMWオーナーです』と!

(終わり)

以上、『購入物語』いかがだったでしょうか。(疲れた?)
ついつい長文となってしまいました。読んでくれたすべての人に感謝します。
2年前の事を思い出すのは大変だったけど、今思い出すと懐かしいですねぇ。
それと、あの頃の行動力ってスゴイなって感じます。(確かに!)
それだけの魅力をBMWが持ってるのでしょう。(ごもっとも)
さて、次回は何の話を書こうかなぁ!
とりあえず順当に行くとチューンナップの話なのかな?
その後、いろいろ手を加えてますから…。(また長そう!?)
でもその前にZ3に試乗した話を先にします。2話ほど…。
で、チューンナップの話が一通り済んだら、エッセイなんかを書きたいですね。
ホントはそっちがメインのつもりだったけどね。
もちろん318isならではの話題も忘れません。
それにしても購入物語に熱が入ってしまいました。(長かった!)

それでは次回をお楽しみに! O−chanでした。

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