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第1話 「免許がなくちゃBMWは動かせない」

(作成:1997年3月25日 改訂:2004年7月6日)

(TEXT : みおっちのパパ / E36-318ti)
1.免許取得大作戦

 言うまでもなく、車の運転には「免許」なるものが、必要です。通 常「免許」というものは高校を卒業する間際か、人生のモラトリアム とも言うべき大学生活中に取ってしまうものですが、私は受験生活に 疲れきってしまい、「試験」というものに拒否反応を示して、自動車 教習所へは何故か寄りつきませんでした。それに、どうせ欲しい車な んて買えないものだ、とはなっから諦めていたせいでもあります。( 当時から乗るならBMWだ、と勝手に決め込んでましたが、学生の身 分では買えませんしね。)
 会社員にかろうじてなった後も、今度はお金の問題よりも時間の制 約が多くて、とても免許を取りにいける状況ではありませんでした。
 が、、勤続3年目のある日。ふと毎日追いまくられて仕事をしてい る自分って、なんなんだ!?と自問自答状態に陥ってしまいました。
 「そうだ。免許とろう!」

 そんなかんやで、25歳になって、いよいよ「免許」をとることに なりました。趣味であるフライフィッシングも、免許さえ取れば、だ れにも気兼ねせずに、いつでも行ける!車は荷物のたくさん入る国産 RV。(しかも、うんと安い奴ね。)BMW?そんなの買えるわけな いだろう。とりあえず動けばなんでもいい。
 なにかがはじけてしまった私は、満を持して「自動車教習所」へ向 かいました。
 いざ門をたたくと、そこは子ギャルやチーマー(古いね)の雨嵐。 「なんか、すげー怖いなあ。」と思いつつ祝入学です。

2.君、免許取消?

 いざ、教習がはじまってみると、実にファンツードライブ(笑)で 教官からは年齢のせいか、「免許取り消されたの?」と言われる始末。
 ただし、時期が時期だけに高校生が怒濤のように押し寄せ、連日キ ャンセル待ちの状態で、私のような土日しか行けない者にとっては、 予約一つ取るのも一苦労でした。気づけば週に1時間乗れれば良いほ うで、なんとなくだんだん面倒になってきはじめたのが、丁度多忙な 年度末。毎晩取引先と忘年会と称し、暴飲暴食と無謀な酒ライフを繰 り広げ、やっとこさ予約を取った土日も二日酔いでキャンセルしまく るようになってしまいました。
 「なんかカンフル剤が必要だな。」
 そこで、私は自らやる気になるような状況を作るため、仮免許も取 れていないというのに、車選びをおっぱじめました。(昔と比べて、 今の教習所は、高速教習が義務づけられていたり、応急救護実技があ ったりと、なにかと面倒臭い。)

3.車はあるけど、免許がない

 当時の私は、渓流でヤマメを釣ることしか頭にない釣り馬鹿だった ので、大量輸送車が必要と思っていました。かといってT社のランド クルーザーみたいなヘビーな車はやだったので、ホンダのCRーVに 興味が沸いていました。本来ボルボのエステートだのグランドチェロ キーらが本命でしたが、「いつかはBMW」という思想貫徹のため、 車検がきたら売り払う気持ちで、結局CRーVに決定しました。
 まあ、納車まで時間もかかることだし、これで教習所通いにも力が 入るというものだ、とあまり深くは考えずに注文してしまったわけで す。ところが思いの外、早い納車で仮免許もないというのに、新規で 借りた駐車場には新車のCRーVが収まってしまいました。
 それからというもの、連日会社をさぼっては教習所へ通いましたが 子ギャル軍団には勝てず、予約が取れない状況で、やる気がでてくる どころか、毎晩新車のエンジンをかけてはアイドリング状態。
 はっきり言って、最後はノイローゼー状態に陥っていました。
(駐車場は私有地扱いなので、免許なくっても運転できます。そんな 事を良いことに、車庫入れだけは死ぬほどしました。ほとんど馬鹿で す。)

4.ドクターストップ

 そんな不甲斐ない年の暮れ、不摂生が祟って体調が今までにない位 悪化してしまい、滅多に病院には行かぬものの、死にそうな思いをし たので病院へ。
 「急性肝炎だね。今晩から入院すっかい?」
 大学病院の教授からそう告げられ、目先がブラックアウト。
 あと3日で大晦日というのに着替えをもって入院するはめになりま した。

5.走行距離20キロの新車を売り払う

 入院してしまい、教習所通いも出来ず途方にくれながらの闘病生活 中に、見舞いにきてくれた友人たちが、教習所へ通っていたというん で「カーグラフィック」やら、「NAVI」などを置いていってくれ ました。今までにないほどの大量な時間の消費を迫られる入院生活で ずっと忘れていたBMWというものに改めて向かい合うこととなり、 今まで言い訳してきた自分を一度リセットしたせいか、素直に買って 乗ってみたい心境になってきました。

 「なんでCRーVなんか買っちまったんだ?」
 「こんな車、やでも結婚したら買う羽目になるぞ。」
 「やっぱり、車は楽しくなくっちゃ!」
 「BMWったって、GTーRより安いんだぜ。(物によってはね)」

 私は退院後この車を一番高く買ってくれる業者探しを入院中の公衆 電話からやりました。
 どこも電話をすると、今日にでも現金もって行きます、みたいな事 を言うのですが、さすがにこちらはベットの上。いかんともしがたい のでした。

6.病院へBMWディーラーマンがセールスにやってきた!

 一度買う気になってしまうと、居てもたってもいられなくなる性分 で、闘病中でもお構いなし。(今まで心のどっかにあった潜在意識が いっぺんに表面化してしまいました。)
 私は早速公衆電話からディーラーへ電話しました。しかし、免許 もなし、しかも入院中。どこもまともに聞いてくれるわけもないので すが、唯一「正規ディーラー系」が話を聞いてくれ、病院までカタロ グを持ってきてくれました。(あきれてたけど。)
 やってきた営業マン、初めての経験だったようで、なにやら不思議 な面もち。
 「こういう状況でセールスしちゃっていいんですかね」
 そりゃあ、しずずらいに決まってる。なんせ点滴打ってる客は、な かなかいないでしょう。(苦笑)

7.BMWは憧れではなく、現実なのである

 無事退院したあと、BMWを買うべく、雨晒しの駐車場では役不足 なので、思い切って引っ越しをしました。それまで住んでいたのは文 京区でしたが、屋根付きになると立体で5万円が相場なので、足立区 でマンションの一階が駐車場で、個別にシャッターが完備され、温水 シャワーまで使えるところにしました。(それでも家賃との総額は文 京区より安い!)
 以前呼んだディーラーマンとは遠くなってしまったので、新たにデ ィーラーを探しだし、新居で商談。即決。
 教習所も社会人専用の土日優先VIPコースを用意している学校へ 転校し、順調に仮免許も合格。路上もスイスイで卒検間近。(この教 習所はミニスカート、茶髪禁止なので、風紀が乱れていないので、当 然、子ギャルもいない。)

 まあ、こうして振り返ってみると、今回の入院は実に有意義なもの だったようです。(忘れもしない大晦日。紅白始まったとたんに消灯 でした。看護婦さん、あんたは鬼だ(T^T)

8.何故tiなのか?

 私が注文したBMWはti。しかし、何故tiなのか。昔はコンパ クトという名前で呼ばれていたこいつは、何故か安っぽい。私もなに を隠そう、コンパクトは買いたくない、と思っていました。
 ところが、97年モデルのラインナップを見てみると、318iは SOHCの1.8L。かたやtiは1.9LのDOHC。内装にして もレザーシート(ヒーティング機能付き)が付いていて、電動サンル ーフが付いてたり、フォグランプにアルミホイールも付いてと、実に ベストバリューなのです。(正直言って、96年以前のユーザーから クレームがくるほどの、実質的な値下げです。)
 それに私は、ホイールもラジアルスタイリングというのが好きで、 買うときは、絶対これの17インチをはかせるのだ、と決めてました が、ホイールセットだけで35万もするのです。
 セダン買うなら320i。(予算的に)ただ、ti買ってホイール 変えて、フロントスポイラーも変えて、ボーズのサウンド入れて、で もってブレイトンのウオルナットキット付けて、そこまでやっても、 320iと同じ金額であれば、絶対tiの方がおもしろい!(足立区 は道が狭いから、小回りききそうだし。)
 それにハッチバックはフライフィッシングにもゴルフにも行けるし ね。カッコより実用性。とくにこのクラスの車は、ぞれが重要な気が します。
 そんな私のような人が多くtiは今年は人気だそうで、納車は1ヶ 月掛かるそうです。

 こうして原稿を書いている今日は3月24日。教習所も4段階で高 速教習なんかを残すのみ。私の注文したBMWは、まだ幕張にいるそ うで、納車までは少々の時間が掛かりそうです。

 次回は、納車話が先か?免許合格が先か?乞うご期待!

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