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第3話 「ドイツ車750対イタ車ランチアデルタ、衝突実験の巻き」
(作成:1997年4月28日 改訂:1997年7月12日)
(TEXT : やまそうカンパニー / E32-750i)
さて、水没から復活した太郎1号は、その後も様々なマイナ−トラ
ブルを経験しつつも元気に走り回っておりました。
750と長年つきあってわかってきた事ですが、いつ頃どこが具合
悪くなるかが決まっているように思います。そして、毎年、そのウ
イ−クポイントが改善されたモデルが出るのはたいしたものだなあ
と思います。いつごろどこが壊れて、いくらくらいかかるのかはま
たの機会においおいお話しさせてください。
さて、私が、BMWを選んでいる理由はみなさんと同じようにエン
ジン・足周りの秀逸さがありますが、特に、安全性についても期待
するところが大きかった訳です。
そして、図らずも、この安全性が実証される日が来てしまったので
す。
1.事故発生
その日は年末も押し迫ったある日の昼下がりでした。私は、4メ−
タ−道路の裏道を走行していました。見通しがよい交差点にさしか
かったので、20kに減速し交差点に進入しました。
ところが、脇道の路地から一旦停止無視のランチアデルタがいきな
りノ−ブレ−キで太郎1号の左フロントドアのピラ−付け根のヒン
ジのあたりに衝突してきたのです。
後で聞いた話では、相手の運転者は交差点を見落としており50k
で交差点へ進入したそうです。
要は、運転席ドアに50kでTボ−ンクラッシュされたわけです。
私は、頭をセンタ−ピラ−にぶつけて、一瞬目の前が白くなりまし
た。このため、太郎1号は路外にそれて、よたよたと道路脇の倉庫
に向かい、倉庫の壁に正面からつっこんで止まりました。
2.事故直後
倉庫に衝突した衝撃で我に返った私は、運転席に座ったままきょろ
きょろと相手車を探しました。相手車はどこにも見あたりません。
「やや、逃げられたか。」とあわてた私は、シ−トベルトをはずし、
ドアハンドルを内側から引きました。
するとドアは何の抵抗もなくあっさりと開いてくれました。
ふらふら歩いて衝突した交差点まで戻ってみると、黒いランチアデ
ルタが交差点の20mほど先に背を向けています。
近づいて見ると、運転席に人がうずくまっており、ランチアは前部
が大破し、両前輪は左右に開きフロントグリルやラジエ−タコア−
はフロントストラットの付け根あたりまでめり込んでいます。
後の話では、ブレ−キラインが一瞬にして壊れたため、ブレ−キが
全く効かなくなり、滑走してしまったとのことでした。
相手車はドアも開かず、運転していた人も相当出血しています。
急いで、警察を呼ぶとともに、相手の運転手さんの止血処置を行い
、救急車を呼んで病院へ行ってもらいました。
私が太郎1号のところへ戻ってみると、太郎1号は静かにアイドリ
ングしたまま倉庫に20cmほどめり込んでいました。
あわてて降りるときに開けたフロントドアは5cmほどずり落ちる
ようにして開いており、もうしめることはできませんでした。
相手車が衝突した、フロントドアの付け根のあたりは運転席の内側
に10cmほどめり込んでいました。
上から見ると、バナナのようにボディがくの字に変形しています。
これが、他の車であったなら、間違いなく、運転席はつぶれ、私の
足は挟まれていたでしょう。そのようなことになれば、よくて骨折、
悪くすれば下腿動脈を損傷し失血死していたかもしれません。いず
れにしても下肢の機能障害を残すような大きなけがは免れなかった
に違いありません。頑丈な太郎に感謝・感謝でした。
衝突されたときに印象に残っているのは、衝突音が以外に小さかっ
たことと、ぶつかられた瞬間の「ポ−ン」というアラ−ムチャイム
の音です。(強い衝撃を受けたためドアロックを自動的にリリ−ス
しますという意味の警告音だったようです。)
さて、この続きは、第4話で。
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