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第10話 「付録:リコール/Rシリーズ編」

(作成:1998年2月15日 改訂:1998年2月15日)

(TEXT : obata / R1100RS )

93V134000

対象車種・年式

R1100RS/GS(〜1994)

概要

正極側のバッテリーケーブルはエクステンションを用いてバッテリーへ接続されているが、 これがバッテリーサポートと接触する可能性がある。もし接触した場合はショートし、 バッテリーサポートからフロントブレーキラインを通し、 ABSユニットを搭載するフレームまで電流が流れることになる。この結果、 @フロントブレーキの温度が上昇し動作性に影響を及ぼす。 A燃料タンクが溶融・穿孔し燃料漏れから車両火災の危険がある。 BABS動作不能。 Cエンジンの電子制御系にダメージを及ぼしエンジン制御が不整となる。

対策

バッテリーケーブルとバッテリー端子を直結する。


94V119000

対象車種・年式

R1100RS/GS(〜1994)

概要

オフロード等過酷な条件下での走行により、 スイングアームのベアリングピン(右側)、及びフロントショック付け根のフランジナットが緩む。 この結果車両の動的安定性に影響を及ぼし、操縦性の低下をきたす。

対策

ベアリングピンはさらに強力なネジロック剤とトルクで締結する。
ショックのフランジナットはSTナットへ換装する。


94V233000〜002

対象車種・年式

R1100RS(〜1995)

概要

ハンドルバー(アジャスタブル、エルゴノミックス)にクラックが入る可能性があり、 これを放置すると万が一の場合、車両の操縦能力が失われることになる。 またフロント下部ブリッジとテレレバーの間のボールジョイントのナットが緩む可能性があり、 車両の動的安定性に影響を及ぼす。これらの障害は操縦性の低下および事故を惹起することがある。

対策

ハンドルバーの交換。
ボールジョイントナットの交換とネジロック剤の塗布。


95V202000

対象車種・年式

R1100RT(〜1996)

概要

リヤブレーキのホースがリアサスの動作範囲内でタイヤと接触、 摩耗してフルード漏れを起こす可能性がある。 この結果、リアブレーキの制動能力の低下およびフルードのタイヤ付着で 車両の走行安定性を損なう恐れがある。

対策

サストラベルの範囲内でホースが接触しないようブレーキホースの案内や取り回しを調整。


97V173000

対象車種・年式

R1100RSL(〜1997、フルカウル)

概要

オーナーズマニュアルにある警告を遵守しない場合(訳注)、 走行風による冷却が期待できない状態でアイドリングスピードが上昇、 排気管が過熱し車両火災につながる危険が極めて増大する。
(訳注)日本語マニュアルでは「アイドリング状態での暖機の禁止」及び「エンジン始動後の速やかなスタート」。

対策

車両貼付用の警告ラベルとオーナーズマニュアルの追補を送付。


97V237000

対象車種・年式

R850R/R1100R(〜1997)

概要

フル転舵時、ハンドルバーから伸びるハーネスが フレーム前部計器パネル下の座金部分で緊張する。 また、左右二本のハーネスの結索部位が不適切でハンドル動作にも支障をきたす。 そのためハーネスが破壊または損傷、あるいはイグニッションスイッチ部から脱落することがある。 ハーネスに損傷のみがありこの状態で走行した場合は、電子系に何らかの悪影響を及ぼした可能性があり、 エンジン制御の不整、間欠的な息継ぎや失火、カットアウト等の症状を呈することがある。

対策

ハーネスが充分自由に動く位置まで結索部分を後退させる。 もしハーネスに損傷が見られた場合は、ハーネスとイグニッションスイッチを交換する。


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