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第１１話　「デントリペア」

（作成：１９９７年１０月１２日　改訂：１９９７年１０月１７日）
（TEXT : そえそえ / E39 528i ）
みなさんデントリペアってご存知ですか？表面に傷のない凹みなら塗装せずにきれ いになおってしまいます。しかも値段が比較的安い！
板金塗装の場合、業者によっては塗装の仕上がりや耐久性が不安ですよね。デント リペアでは塗装しないのでその不安もありません。リスクがなくて短時間で仕上が りしかも安いのです。
但し、プレスラインの上など形状が複雑なところの仕上がりは、職人さんの腕前し だい。うまく仕上がったとしても手間がかかるので値段も多少高くなります。ま、 ともかく、私の体験を読んでみてください。

防犯装置の取付けも一段落した8月の終わりに会社の人たちと鹿島の海にＢＢＱに行 く事になりました。100メートルほど離れた堤防の裏に車を止めて、荷物を運び久し ぶりの海でボディーボードもして程よく疲れ、ＢＢＱも腹一杯食べてビールも飲ん で気持ち良くとうたた寝をしていました。気がつくと友人が私を呼んでます。”な にか警報機が鳴ってたよ”冗談が好きな友人で、また冗談だと思いすぐ寝てしまい ました。ほどなくして暗くなりＢＢＱは解散。各自家路につきました。
翌日海で汚れた車を洗車していた時です。私は嫌なものを発見してしまいまいた。 ドアに直径15cm深さ1−2cmぐらいのすり鉢状のへこみができているのです。あの友 人の言葉は本当だったんだ。くそっ！機械がちゃんと機能しているにも関わらずも 人間のほうが判断を誤るなんて。とりあえす車を点検したところもう一個所フェン ダーに小さなへこみがあるのです。人間がちゃんとしていたら1つめはともかく2つ 目のへこみは防げたはず。ともかく悔しい一日でした。

幸いな事に、へこみは両方とも単純にへこんでいるだけで塗装には影響ありません 。すぐにへこみを直す必然性はないのですが、このままだと毎日車に乗るたびにへ こみを見て悔しい思いが頭の中によみがえります。Ｓ氏に相談するとベントリペア の職人さんを呼んでくれる事になりました。ベントリペアとは、へこみを特殊な道 具を使って内側から押し出して元に戻す修理方法のことです。板金と違ってパテの 盛り付けや塗装などは一切しません。塗装に傷がついているときは板金しか修復の 手段がありませんが、今回のようにただ単にへこんでいるだけならば塗装のリスク もなく理想的な修理方法です。その職人さんはメトロポリタンの営業さん達と個人 的な付き合いがあるそうで腕は確かなようです。

ちょうど別件で入院が予定されていたのでいっしょに直してもらうことになりまし た。そして退院の日へこみのあった場所を確認すると。。。。。おおほぼ完璧に治 ってる！これが押し出しただけで直したとはとうてい思えないくらいの出来ばえで す。こまかく光の反射をチェックするとほんの僅かにあとはわかりますが、そこに 凹みがあったと知ってないとぜんぜんわかりません。凹みはサイドのプレスライン 上にあったのでかなり難易度は高かったはずなのに、さすが営業さん達に見込まれ ている職人さんです。Ｓ氏に”この仕上がりでお金をいただいてもよろしいですか ”と聞かれましたがもちろん了解しました。後で聞くと職人さんは4時間もがんばっ た末”完全でないからお金はどちらでもよい”といって立ち去ったそうです。見上 げた職人根性ですね。費用もたった2万5千円ですみました。職人さんと紹介してい ただいたＳ氏に感謝します。


＜追加情報＞
ドアの凹みは、内張りを外さずに作業したそうです。特殊工具を使うとはいえどの ように押し出したのでしょうか。ほんとすごい職人技なんでしょうね。

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