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第27話 「E39 528i Touring購入のいきさつ」

(作成:1997年11月17日 改訂:1997年11月19日)

(TEXT : KAZU-T / E39 528iツーリング )

自己紹介をしたなり雲隠れしていたKAZU-Tです。

突然ですが、我が家は大家族です。家族は全員哺乳類に属しますが、そのうち霊長類 は3頭(3人とも言う)だけで、残り8頭はそれぞれイヌ科、ネコ科に属す種族で す。しかもイヌたちはなぜかやんごとなき血統に属するため、飼い主(あまりやんご となくない血統に属するため決しておつむがいいとは言い難い)は、調子に乗って品 評会(ドッグショーというやつ)に東奔西走する始末。しかもこの霊長類(特に成獣 2頭)はDNAに魚類の遺伝子が混ざっているのか妙に海に潜りたがり、ふと気がつけ ば機材一式を抱えて成田へひた走ることしばしば。こんな生活ですから、我が家には WagonはMUSTです。

そういうわけで、92年以来、先代の525iTouringには随分活躍してもらいまし た。何しろ納車以来故障知らずで走りつづけてくれましたから、私としては「こいつ に10年は乗ってもいいかな」と思っておりました。つまり、買い換えるつもりなど まったくなかったのです、少なくともこの春までは。

ところが、春になって、カミさんが免許を取るという驚天動地の事態が出来しまし た。何しろ敵は「メカ音痴」の「方向音痴」に加えて、機械に対する興味さえ一切な しという、強烈な武器を備えています。おかげで、それまで助手席に座っていたころ には出てこなかった不満が、彼女から次々と出てくるようになりました。

なんだかんだ言っても、先代までの5シリーズはどちらかといえば質実剛健、装備は いたって簡素なものでした。私個人としては、あまり余計な装備のついていないこと が魅力の一部だと感じていたのですが、若葉マークで余裕のない彼女には、運転中に 視線を動かして操作を行うのが(オーディオ系の操作や内気循環・外気導入の切り替 えなど)、とても恐い、と思われたようです。

中でも困ったのが、シートポジションの設定です。特に彼女は身長が150cmに満た ず、私の身長は180cm以上ですから、ドライバーが代わるたびにポジションを大きく 変えなくてはなりません。私にとってはそれは手動でやってもなんということはない 操作なのですが、不慣れな彼女にとってはなかなか難しいようで、しっくりしたポジ ションをすんなりとれる場合と、いくら調整してもしっくりしない場合とがあるとい うことを、盛んにぼやいておりました。

それでも、「無い物はないんだから仕方がないじゃない?」といっていられたうちは まぁよかったわけです。ところがある日、真新しい528i Touringのカタログを持っ て、のこのことディーラーがやってきました。それを見ると何とまぁ、カミさんが欲 しいといっている装備が全部ついてるじゃあないですか。それまで私はE39にあまり 興味がなかったので、あんなにいろいろな装備がついているということ自体まったく 知らなかったのですが、装備表を見るとあるわあるわ、メモリー付きパワーシート だ、感知式外気導入切り替えだ、ステアリングオーディオスイッチだと、それこそ国 産車と見まがうばかりのアメニティでした。しかもリアゲートまで、非力な女性でも 閉められるように電動サポートがついていたり、ドリンクホルダーがビルトインされ ていたりと、普段簡素な911(ミツワで「ドリンクホルダーつけられないの?」と聞 いたら、「911に乗りながらなにか飲もうなんて考えないでください」といわれまし た)に慣れている私としては少々あきれましたが、確かにカミさんにとっては願った り適ったりの仕様でした。

「でもねぇ、お金ないから。」これが私の最後の切り札。何しろ免許取得記念に Boxsterを買われちゃってる(納車はまだでしたが)身としては、そんなに余裕があ ろうはずもありません。ところが、です。ここでディーラーがカミさんの応援団と化 しました。これはおそらく特殊な事例だと思うのですが、今買い換えても、いわゆる 追い金はほとんど発生しない、というのです。うちのBMWは実はリース車で、本来な ら5年リースを途中で解約するとかなりの損害金が発生するのですが、たまたま今先 代の525i Touringが中古車市場で人気が高く、かなり高額で下取りできること、また 新車の本体価格をかなり値引きできること、リースの金利が以前より下がっているこ とを総合すると、いわゆる追い金は20万円くらいで、しかも以後のリース料はそれま でより安くなる、との試算を出してきました。もちろんリース期間は延びるわけです からその間リース料を払いつづけるわけで、お金を払わないわけではないのですが、 少なくとも、当面はお金をあまり払わなくてよい、というのです。このセールスと は、ほとんど彼の入社当初から付き合っていますが、ずいぶん商売がうまくなったも のです。いずれにしても、これで取りたてて強力に抵抗する理由もなくなりました。 それに前にも書いたように、私にとっては余計なお世話の装備でも、余裕の少ないカ ミさんにとってはいろいろな意味で有効だろうと考え、乗り換えを決意したわけで す。

購入した車の仕様はレザーパッケージで色はオックスフォードグリーン。レザーシー トも我が家にはMUSTでして、これはもっぱらイヌのせいです。奴等はどうしても毛が 抜けるのですが、布地のシートだと織り目に毛がはまり込んで掃除が大変になるので す。さらに、10月にVersion UpしてVICSに対応する純正のカーナビも注文することに しました。これはカミさん向けというより、ドッグショーのためです。ドッグショー という催しは、なぜか「××体育館駐車場」とか「××川河川敷」とか言う怪しげな 場所で開かれることが多いうえ、会場までの地図も用意されないことがほとんどなの で、いずれは欲しいと思っておりました。E39にはせっかく立派なモニターがついて くる(カーナビをつけないと、ほとんどついている意味はありませんが)ので、どう せなら純正品をつけてみて人柱になろうと思った次第です。これの使用感について は、いずれご報告させていただこうと思います。

では、今回はこれくらいで。次回は「E39はE34を超えたか?初期インプレッション」 をお送りしたいと思います。え?「重大事態発生」はどうなったのかですって?それ はさらにその次ということで、ご勘弁ください。


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