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第6話 「ドアのきしみ音(キシキシ音)」

(作成:1997年10月1日 改訂:1997年10月2日)

(TEXT : そえそえ / E39 528i )

<きしみ音発生!>
納車して一月ほどしたある日の夜、仕事に疲れた私は裏道を30kmぐらいでゆ っくりと帰ってました。途中で路面の良くないところに差しかかると小さなギャ ップを乗り越える度にキシキシ、ギシギシといった僅かなきしみ音が聞こえてく るのです。気になる音です。私は原因を特定するためにいろいろ確認作業に入り ました。速度を上げてもギャップを乗り越える度にこの音は出ているのですが。 他の音にまぎれてわかりにくなります。よって低速で顕著になるようです。よく 聞くとどうやら前後左右のドアの窓枠のゴムの部分から出ているようです。E3 9は非常に静寂性が高いがゆえに僅かなきしみ音が目立ってしまうという言い訳 は理解できますが、600万もする車なのにこれではあまりにかっこ悪すぎます。 さっそくディーラーに連絡し修理してもらう事になりました。
修理内容は”ドアの立て付けの調整&窓枠のゴムへの浸透性潤滑剤の塗り付け” です。
数日後に修理ができたと言うので取りに行きました。結果は。。。。完璧に音は しなくなりました。私は満足して家にかえりました。

<きしみ音再発>
前回の修理からほどなくして梅雨にはいり雨が降るようになりました。気がつく と雨の度にきしみ音が再発するのです。そのうちに雨でなくても音がするように なってきました。そこでS氏に連絡。再び修理に出す事になりました。今度の修 理は”立て付けの再調整”+”前ドアの窓枠の部分がBピラーと接する面のゴム の上にシリコンテープを貼る”という処置が施されました。しかし今度は10 0%完治というわけにはいきませんでした。音のレベルは確実に下がったものの やはり雨の日などは多少気になります。また近々修理に出して立て付けの再調整 &潤滑剤の塗り付けしてもらう予定です。

<付録:音の発生メカニズム・ドアの立て付けの調整の仕方>
E39の場合、きしみ音は窓枠の部分とドアがボディと接する面のゴムから発生 しているようです。前者の場合ドアの立て付けを調整すると共に窓枠にゴムが良 く滑るように浸透性潤滑剤を塗ることで対策としているようです。後者の場合も ドアの立て付けが有効で、加えて前ドアの窓枠の部分がBピラーと接する面(ゴ ムが貼ってある)にシリコンテープを貼って対策としているようです。ドア受け 金具の位置を大きく動かして、ドアが閉まったときにゴムがBピラーと接触しな いようにすると確実に音はしなくなるそうですが、そうしてしまうとボディとド アの間に隙間が出できて、風切り音が大きくなったり風が室内に進入してしまう そうです。そこでドア受け金具の位置をきしみ音もせず風も巻き込まない微妙な 位置に調節し直すのだそうです。それでも音が収まらない場合はゴムの滑りをよ くするために潤滑剤を塗ったりゴムの表面にシリコンテープを貼るのだそうで す。このきしみ音の根本的な原因はドアの設計とゴムの材質にあります。ゴムの 材質の変更ならすぐできるはず。一刻も早い改善品の開発と日本への到着を心待 ちにしています。

<関連記事>
BMWマガジン 最新版(3/1997号)でBMWの”走行中の音”に対する取り組 みを紹介しています。
内容は1000万ドルの音響工学用風洞実験室の紹介と走行中の音に関する開発秘話 で、非常に面白い記事なので呼んでみることをお勧めします。記事中で”E39 は開発初期から最終量産まで一貫して風洞実験により最適化された初のモデル” だそうでE39から非常に高い静寂性を身につけた理由に納得。また一部きしみ 音について触れている部分もあり”キャビンの静寂性が非常にすぐれているた め、以前では決して気づくことのなかった騒音(例としてきしみ音が取り上げら れている)が顕著になってしまうという皮肉な結果を招くことになった”とあり ます。そして”BMWは卓越した摺動特性を備えた特殊塗料を開発、この問題の 解決をはかっている”とあります。
でも結果的にはまだまだなんですよね。それとも日本車と比較してしまう私たち が悪いんですかね。
BMWのエンジニアさん、もう少しがんばってより良「対策を考えてください。

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