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第60話 「本当に明るい高効率バルブは?」

(作成:2001年5月11日 改訂:2001年8月10日)

(TEXT : RON / E46 330i )


まずは、メンテというお題目には少しズレてしまいますが、スモールライトにつ いて。

E46に標準&オプション装備されているHIDの明るさと光源の白さは流石ですね。
しかし、スモールライトは一般的な5Wバルブ。
ハッキリ言って点灯時の色は古くさい電球って感じませんか?
とくにヘッドライト(HID)を点灯するとその色の差は歴然。

そこで、330を購入して間もない頃、「白い光を追求した」というスモールライ トに交換しました。バルブ自体はブルー(ちょっとヤンキー)ですが、点灯時は HIDと同じくらい白いので色のバランスは良くなりました。点灯していないとき も、人の目の高さからはスモールの電球は見えにくい位置に装着されているの で、ブルーのバルブも目立ちません。
高効率ヘッドライト用バルブを装着されている方にもオススメですね。

で、最近いろいろな高効率バルブが発売されていますが、見た目の明るさや白 さばかりを重視して、本来の明るさを失っているモノが多いのをご存じでしょうか?
「HID級の白い光」とか「○○ケルビン」といったことを謳っているバルブの多 くは、フィラメントが発する黄色や赤い色の光を青いコーティングをしたガラス でカットしているのです。

つまり、黄色や赤の光をカットすれば残るのは青白い光だけ。確かに太陽光に近 いHIDのような色にしているのです。HIDは光量が高いので白い光を放っています が、ハロゲンではそこまでの光量を確保できないからこのような処理がされてい るのです。

しかも、白い光は黄色い光に比べ、ライトが照射する場所までに障害物(霧や雨 など)があると光が通りにくい性格をもっています。フォグライトの多くがイエ ローバルブを使用していることからもご理解いただけると思います。

ということから、黄色や赤い光をカットしたバルブは、雨天や霧でヘッドライト の光がより通りにくいことがわかることでしょう。

これは、白い光と黄色や赤の光の波長の違いが原因です。
白い光の波長は短く、黄色や赤の光の波長は長いのです。つまり、波長が短けれ ば障害物(霧や雨、ホコリ)によって、その方向性が変化しやすくなります。
ドライバーは照射されている場所から戻ってくる光の加減で明るい/暗いを判断 しています。

つまり、同じ100W級のバルブでも、光の白さに拘ったモノは、普通のクリアレン ズのバルブに比べ、照射する場所に行く光の方向性が弱いために少なく、しかも ドライバーに戻ってくる光も少なくなります。

とくに降雪時の夜は、その差は歴然でしょう。たぶん、雪によって光は拡散さ れ、目の前は雪の粒がキラキラするばかりで路面状態など見えなくなると思いま す。もちろん、程度は違いますが、霧でも同じような状態になるはずです。

白い光に拘ったバルブを装着している人の中には「照らしているところは白いけ ど何故か見にくい」と思われている方は、一度クリアレンズのバルブに交換して みたらいかがでしょうか?


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