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第57話 「本編18『放熱加工』」

(作成:2002年9月23日 改訂:2002年10月4日)

(TEXT & PHOTO : 宮田 / E36-M3 )

ボンネットにエンジン放熱用のダクトを設けました。
これでまたさらに一歩iDingマシンに近付いてます。(笑)
(・・・って資金がないのでできないことには変わりない...)

///M3に搭載されているS50型エンジンは高い出力を代償に、他のE36系に比べ 非常に高い熱を発生します。
(まぁ、一般的に高性能エンジンほど熱量が多いのは自然なことですが...)
熱を持ったエンジンは熱ダレによるパワーダウンや果てはエンジンオイルの 劣化を早めることに繋がってきます。
その熱をクーリングするのに冷却ファンを回したり冷却水やエンジンオイルを循環させ エンジンの熱を下げようとしてるのは説明するまでもありません。

又、ボンネット内の熱気を冷却ファンを回し、後方に排気させているのですが、 エンジン〜トランスミッションと続くセンタートンネルはエンジンルームの 下半分から延びています。熱気をより効率よく排気させるには エンジンルームの上方より放熱させるのがより効率的 なのですが、 雨水の侵入や異物の混入?を懸念してか、E36型の場合、///M3を含め、 ボンネットには熱気排出用のダクトが開いてません。
(BMW以外でも開いてる車両も少ないですが...)
しかし、本物のiDingマシンはノーマルの///M3に比べ、より高回転/高出力型エンジンなため、 そのエンジンパワーをフルに発揮するにはダクトは欠かせないとのことです。

ならば効率よく放熱させたいということと、熱ダレによるパワーダウンを防ごうと、 宮号にもiDing ///M3 S-II用のボンネットダクトをiDingで開けてもらいました。
(ノーマルの///M3ですが、気分はiDingマシン...)
見た目には「こんなに小さいダクトで効果があるの?」というくらいコンパクトです。
前方からボンネットだけ見るとあまり目立たない?です。

M3

  ボンネット後方から見ると確かに開いているのがよく分かります。
DIXISチタンタワーバー のストラット接合部が顔を覗かせています。)

M3

  ボンネットを開けるとその位置関係も分かります。

M3
  この位置、実は絶妙な位置らしく、雨水が入っても上手くエンジンを 濡らすことなく水が落ちるそうです。
(実際に雨の中、停めてましたが、エンジンルーム内の主要機関を
 濡らすことはありませんでした。
 でも走行中はほとんど入ってこないとのことです。)

実は宮号の場合、ボンネットを閉めると、ダクトとDIXISチタンタワーバーのストラット部と 干渉してしまう(タワーバーをストレートにするためスペーサを入れている)ので、 ダクト側の1つ目の格子を削ってもらいました。
(井手社長、感謝です。。。<(_ _)>...)

M3
  さてさて肝心の効果です。
熱ダレによるパワーダウン解消...と言いたいのですが、体感できてません。。。
そもそも熱ダレによってどのくらいパワーダウンしてるかも分からないので、 解消されたのがどのくらいかも分からない...というのが正直なところです。
それと300ps以上のマシンだけに仮に5%ダウンしてたとしても気付かない??
...というより季節は序々に暑くなったり涼しくなったり、また寒くなったりするので、 熱ダレもその気温に合わせて起きるものではないかと思うのです。
(ただ冬場の方がよりパワーは出やすい環境にあります。)

しか〜し!!目で見て分かる効果が出ました!!!
エンジンオイルの油温計の針の指す位置が下がりました

M3

E36型で///M3を除く車種はタコメータの下は燃費計(あくまでも 目安の燃費計)になってますが、 ///M3の場合、油温計になっていて、それでエンジンオイ ルの温度が分かるようになっています。
メータ内で針が振れる範囲は、メータ上の数字で50〜150℃の範囲で 100℃が真ん中(ちょうど真下を差す)になってます。
E36型///M3の場合、季節によって多少の差があるものの、ふつ うに街中をだらだら走る限りは だいたい100℃を指すようになっています。
参考までに純正オイルを入れてダクト無しのボンネットの場合、 夏場は100〜108℃くらい、冬場は92〜100℃くらいで安定しています。

この2002年の夏は、東京/神奈川でもビー●が大変美味しく感じるほど暑い夏でした。
日中も35℃を越す日が何日もあり、車には非常にツライ環境だったのではないかと思います。

この酷暑の中、宮号で街中をだらだら走ったり、渋滞にハマったりもしましたが、 油温計の針は100℃以下で安定し、100℃を指すこともほとんどありませんでした。
また、走った後でアイドリング状態を続けていると90℃以下まで下がりました。

つまり、こんな小さな(失礼...m(_ _)m)ダクト一つですが、 確実に熱対策/放熱効果を上げることができるということです。
よく熱対策をするには、吸気側を多くしよう。という発想になりますが、 まずは排気側というのが本来の姿らしいです。

例えが全く違うのですが、人間も腹一杯のときは食欲が湧かないけど、 “出す”することによって食べたくなるのと似ているのかな?...と思います。
まぁ、新陳代謝を上げるには出すことが先ということでしょうか。(大謎...???)

参考までに、一般的に市販のエンジンオイルはその温度が低すぎるとと粘度が高く エンジンへの負荷になりレスポンスが鈍くなったり、回転が重く感じたりし、 逆に高すぎるとオイルそのものが寿命が早まったり、粘度が下がり油膜切れで エンジンの焼き付きを起こしてしまうこともあります。
また多くのエンジンオイルの場合、85〜100℃でそのオイルが 最も良い性能を発揮するようになっているようです。
オイルによっても多少の差はありますが、全般的には温度より高くなるにつれ 粘度が序々に下がり140℃付近で油膜切れを起こしやすくなります。
特にサーキット走行や高回転域を多用し続けると油温は上がります。
油膜切れを起こすとシリンダーとピストンの摩擦が大きくなり、 果てにはエンジンが焼き付いてしまいエンジンそのものをダメにしてしまいます。
また油膜切れ状態に近付いたオイルは温度が下がっても、 本来の性能を取り戻すことはなく、劣化した状態のままになってしまいます。

E36型///をはじめ、BMWの///Mモデルには油温計が装備されてますが、 他E36型モデル、E46型モデル、他?には油温計はありません。
(なかったような記憶が...)
エンジンオイルの温度はエンジンのバロメータにもなります。
温度はもちろんのこと、オイルの量が適正か。という目安にもなります。
(量が少ないと循環させても温度が下がらない。
 ラジエターのクーラントと同様に考えてもいいかもしれません。)
純正パーツではなく、社外品になるものの、気になる方には装着をお薦めします。

でも社外品装着はあくまでも自己責任でネ。


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