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第58話 「M3セダン:7年/10万km」

(作成:2002年10月4日 改訂:2003年4月27日)

(TEXT & PHOTO : wata@M3 / E36-M3 )

95年5月に新車で購入したM3Bセダン。 02年3月、いつの間にか走行距離が100,000kmを突破していました。 その間、特に大きなトラブルもなく、順調に走ってくれています。
別にバカ丁寧に扱っていたわけでもなく、過剰なメインテナンスを行っていたワケでもありません (もちろん、並行輸入車ゆえサービスフリーウェイなど無縁です)。 それでも実質的にトラブルフリーで走り続けるM3は、速いだけでなく、かなり丈夫な クルマであると言えると思います。



これまでに実施してきた消耗品関係のメインテナンスは、以下の通りです。

■定期的に交換しているもの
 ○5000kmまたは半年毎
  ・エンジンオイル&フィルター

 ○2年毎
  ・各種油脂類
   (デフオイル/ミッションオイル/ブレーキフルード/クーラント/パワーステアリングオイルなど)
  ・各種ベルト/ホース類

■消耗度合いに応じて交換しているもの
  ・タイヤ
  ・ショックアブソーバ
  ・各種ブッシュ/マウント類
  ・各種ガスケット/シール類
  ・ブレーキパッド
  ・マイクロフィルター
  ・スパークプラグ など

通常、タイヤやショックアブソーバは単なる消耗品としてではなく、チューニングのアイテムとして見ている方 も多いと思います。 ワタシもそう考えてはいますが、実際にはホイホイ交換できるような財力があるワケでもないので、 「減ったら換える」ということにしています。
ちなみに今まで履いたタイヤの中では、グッドイヤー"EAGLE F1"のしっとりしたフィーリングが 一番気に入ってます。
またサスペンションは、ビルシュタインの純正リプレイス用倒立式ショックアブソーバにM3純正のスプリング を巻いています。 このサスペンション、新品当時は非常にゴツゴツした乗り味で、換えた直後は失敗したかなとも思いました。 が、1,000kmを超える頃からは不自然な硬さも取れ、以後は「純正よりややソリッドな乗り味」を 保ってくれています。
もう一つ、このショックとスプリングの組み合わせは車高が下がらないということも、ロワリングに興味のないワタシ にとって大きなポイントではあります。



7年/10万kmともなると、きちんと消耗品をメインテナンスしていてもメカニカルな部分以外の 経年変化が気になるところです。 ワタシのM3の経年変化(?)についても、少しご紹介したいと思います。

■塗装
アーヴスブルーという、どちらかと言えばヨワそうなカラーにペイントされているワタシのM3ですが、 特に色があせたり塗装が大きく痛んでいたりしていることはありません(もちろん、間違っても 「新車同様」などとは言えませんが)。
これはボディカバーをかけていることや、屋根付きの駐車場を利用していることもプラスに作用 しているのだと思います。
ただよく見れば、やはり細かいキズはあちこちに見受けられます。
特に高速道路をハイスピードで走る機会の多い方はおわかりだと思いますが、フロントバンパー 前面およびボンネット先端部分には、微少なキズが結構ついています。
ま、勲章みたいなモンでしょうか(・・・違うか)。

■サビ
ぜんぜんありません。 スペアタイヤの収納部やフェンダーの折り返し部分などをチェックしてみても、それらしい兆候は 見受けられませんでした。
BMWの防錆ボディは、どうやらダテではないようです。

■ボディ剛性
特に弱ってきたりヤレてきたりしているような印象はありません(気がつかないだけかもしれませんが・・・)。 変なビビリ音なども発生せず、カッチリしたフィーリングはそのままです。
フロントにストラットタワーバーとロアクロスメンバを入れているので、その効果もあるのかもしれません。
M3の前に乗っていたメルセデス2.3-16は、購入時点ですでに6年落ち&8万km以上で程度も いいとは言えないシロモノでしたが、それまでに乗ったどの車よりも飛び抜けてボディ剛性が高いと 感じました(新車のM3に乗り換えたときでも、特段の剛性感を感じなかったほどです)。
ワタシはドイツ車至上主義者でもなんでもありませんが、メルセデスにしろBMWにしろ、 10万kmやそこらではビクともしないボディであることに間違いはないと思っています。

■シート
ワタシのM3にはレザーシートが装着されています。 さすがに運転席には経年変化の影響が現れています。 いわゆる「ヘタリ」というヤツでしょうか。
逆にいえばワタシの体型にすっかり馴染んでしまっているようで、座るとスッポリとフィットしてくれるので 別に不快感はありません。
それなりにケア&メインテナンスをしていたつもりなのですが、ま、皮モノですし仕方ないかな、と思ってます。 なお、あまり人を乗せていないせいか、助手席はそれほどではありません。
また、恐らくレザレットと思われるリヤシートにはほとんど人を乗せたことがなく、ほぼパンパンのままです。



ワタシは電車通勤のサラリーマンなので、通勤や仕事にはM3を使いません。 いわゆるサンデードライバーってヤツです。
その代わり週末はしょっちゅう高速道路で遠出をしますし、年に最低一回は休暇を取り、一週間 程度のツーリングに出かけています。
ワタシは東京近郊に暮らしていますが、これまでにM3で行った主なツーリングは以下の通りです。

■東北×3
美しい山や湖や海、風情ある温泉、うまい食べ物、そしてM3を走らせると非常に楽しい道。 これらに魅せられて、東北ツーリングへは3回出かけています。
特に東北道小阪ICから十和田湖へ駆け上る大樹海ラインや八幡平アスピーテラインはすばらしく 快適な道で、毎回コースに組み入れています。

■奥只見−金沢−飛騨高山
5月の上旬であったにも関わらず、福島県檜枝岐村から奥只見に抜けるR352は雪で通行止め。 慌てて田子倉湖経由で迂回し、新潟県側から奥只見へ入りました。
その後は北陸道で金沢へ向かい、飛騨高山(BOメンバーの実家に一夜の宿をお借りしました)を 周って帰京しました。

■三方五湖−京都−紀伊半島
高速道路だけではつまらないので、わざわざ岐阜県の山中(人っ子一人いません)をひたすら 走って琵琶湖に出て、さらに北上して三方五湖へ。 その後京都を経由し、紀伊半島中央部の十津川村でのんびりしてました。
日本一広い村/十津川はその自然がすばらしく、後日もう一度訪れています。

■四国一周
BOのオフミ修了後、長野から四国へ向かいました。
沿岸部以外は予想以上の山岳地帯で、1〜1.5車線の山道も多かったのですが、楽しく走ることができました。 四県ともそれぞれに味わい深く、変化に富んだツーリングとなりました。

■北海道一周
青森から函館へ上陸し、ニセコから一気に走って念願の宗谷岬に立つことができました。 その後は道東/道央を走りまくり、温泉入りまくりのうまいモノ食いまくり。
最後は帰りの苫小牧フェリーターミナルで、前述のBOメンバー(飛騨高山出身/東京在住)に バッタリ出会ってびっくり仰天。
しかし東北同様、自然も食べ物も温泉も道も本当に最高でした。



学生時代からクルマでロングツーリングをするのが大好きで、沖縄県以外の全都道府県をクルマで 走っています。
それにしても、1台のクルマに(距離も期間も)これほど長く乗っていたのは初めてで、今更ながらM3では よく走ったなぁ、と感じています。

・・・すみません、メンテコーナーであるにも関わらず、途中からなんだか回顧録みたいになってしまいましたねぇ。

しかし、独りでさんざん走り回っていたワタシにもいつのまにか家族ができ、これからは勝手気ままに 旅に出ることもできなくなりました。
また、エンジンをブン回して走らせれば非常に楽しいM3Bではありますが、助手席やベビーシートに座る 家族にとってみれば、単に荒っぽいクルマに見えるだけかもしれません(本人たちがそう言ったワケでは ありませんが)。
逆に同乗者を気遣ってゆったり走らせているだけでは、少なくともワタシにとってはM3Bに乗っている 意味がありません。

そんなこともあってさんざん悩んだ挙句、7年間/10万kmにわたって楽しんできたこのアーヴスブルーの E36/M3Bセダンを降りることにしました。
まだまだ元気なこのクルマ、きっと次のオーナーをも楽しませてくれるに違いないと思ってます。

・・・M3Bセダンから降りたワタシは、もう少しジェントルなクルマに乗ることにしています。

M3


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