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第89話 「本編38『9年目の車検』」

(作成:2007年8月18日 改訂:2007年10月28日)

(TEXT & PHOTO : 宮田 / E36-M3 )

もう2ヶ月も経ってしまったが6月に宮号を9年目の車検に通した。

今回もメンテを含んでの車検でゴム類、大型消耗部品の交換も一部あった。

宮号はE36型/// M3最終モデルとはいえ、すでに9年。自分が乗ってからでも8年近く。 今のクル マと比べると例えばボディの剛性感も今の同カテゴリの国産車よりも劣ってたり 、走りについても洗練された加速感でもなければ、快適性も薄い。(豪快、且つ エネルギッシュな加速感は今の車では得られないE36型/// M3の魅力でもあるが。) 消耗品のヤレも次から次に現れ、出てきてはひとつひ とつメンテしていくしかない状況でもあり、これがデフレスパイラルならぬ、メ ンテスパイラルへと陥りつつあり、維持していくのに最も厳しい選択を迫られる 時期ではないかと思う。(BMWを含め、輸入車の消耗品サイクルは乗り方にもよる が7〜10年くらいが大きなピークを迎えると聞いたことがある。)

ただ、ここをキチンとメンテして乗り越えていくと、スイート10ダイヤモンドで はないが、またある期間は順風満帆に乗ることができるとも言う。(・・・と聞 いたことがあるが実際にはいろいろメンテは必要だろう。)

それもあり、初登録後7〜10年くらいで手放す人も少なくもないというのが現実で はないかと思う。

それはそうとして、スイート10を越そうと考えたのは、仮に乗り換えるにしても、 次に欲しいクルマが見つからないのが大きな理由の一つ。

パワーや速さ、そしてその速さとは裏腹な快適性を兼ね備えた部分に置いては、E36 型/// M3は今のクルマに対してどうやっても敵わない。

ただ、自分がどういうシーンでクルマを乗るのが好きなのかを考えてみると、箱 根や伊豆、そして富士山周辺などのワインディングロードで、クルマの荷重移動 を無理のないようにコントロールしながら、Out〜In〜Out、Slow In 〜 Fast Out の基本を守りながら自分の手足のようにクルマを操り、コーナーをスムーズに抜 けていくことに愉しみや快感を得ていることにある。

しかしこ10年余り、その愉しみを味わう道路幅が広がってないにも関わらず、ク ルマは肥大化/重量増化する一方。 そんな肥大化/重量増化を電子制御技術や素 材加工の進化、あるいは大排気量化などによるパワー志向で重量を感じさせなか ったり、より安定化志向で、誰が運転しても速く走ることができるようなクルマ 造りは、メーカとして至極当然の方向なのかもしれない。(E92 型Coupeが軽量素材を採用しつつも重量が重くなる一方なのは納得できないが 。)

しかし、自分が求めているのはそうではなく、人車一体みたいな自分の動作に対 して忠実に動作してくれるダイレクト感を愉みたいと思っている。 上手くコント ロールすればそれに応えてくれて、下手な入力をすればクルマもギクシャクする 。 その下手な入力を修正するにはどうしたらよいのかを教えてくれ、それでいて 、自分の好きな走行シーンを愉しめるボディサイズ・・・さらには家族を乗せて 移動することもできる・・・というのを求めると、他に欲しいクルマがない・・ ・というのが乗り続ける選択をしたところでもある。

でも走ってる以上(走ってなくても)、部品の消耗を止めることはできないので、 そこだけはしっかりしていかねばならない。

そこにかけるコストも今が最も膨んでるときなので、正直なところ、苦しいこと は苦しいのは変わらぬホンネ。

そんなホンネがありつつも、自分の手足のように扱えるサイズでダイレクト感を 得られるということと天秤にすると、乗り続けたい。という思いの方が大きい。

ただ、今の宮号で全てを満足しているかというと、そうではない。むしろ長く乗 ってしまっただけに不満な部分も出てきている。特に最近はM3仲間との交換試 乗会などをしてたこともあり、M3C(3.2L)、M3B(3.0L)、M3GTそれぞれの○な ところ/×なところがいろいろ見えてきた。

また、E46型M3/M3CSL、Z4ME60 型M5などの/// M車、E36型ALPINA B6〜B3、E46型ALPINA B3、E60 型ALPINA B5のALPINA車と試乗して、進化するにつれ得たきたものと失ってい ったものも併せ、iDingの匠と相談して宮号をどうしていくかの方向性のメドを立 てた。(宮号のPhaseUとでも言おうか。)

詳細については、さらに詰める必要があるが、S50エンジンをより気持ちよく、 より愉しく、それでいて信頼性や耐久性、メンテナンス性にも配慮した方向にして いこうと考えている。

話を戻して、今回の車検/点検で交換した小物部品の一つを紹介。 iDingリアウィングを装着した結果、 いくら中空構造のリアウィングとはいえ、トランクダンパーへの負担が大きくなり、 トランクを全開にしてる以外は、自然に閉まってしまう・・・ しかも相当勢いよく閉まるようになってしまい、かなり危険なトランクになってしまった。


M3


そこでノーマル対比1.5倍のダンパー圧があるM3GT用(クラスUリアウィングがデ フォルト装着されている)のトランクダンパーに変更。 その結果、トランクを画 像の位置にしても閉まらずに停めることができるようになった。 言い方を変える と、この位置より上げると全開になってしまうほどのダンパー圧があるのと同時 に、閉めるときの反力も強い。 もう二世代も前のE36型だが、こういうパーツ が用意されているのは嬉しいところだ。

【※】メンテ記事以外のオフミ情報や他車種の雑感や試乗記、他いろいろ思った こと感じたことなどをブログにして綴ってます。


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