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第54話 「ステアシフトと私C」
(作成:2007年5月5日 改訂:2008年7月15日)
(TEXT & PHOTO : 江工作 / Z3)
注意! 欠陥報告がありましたので、必ず
このページもあわせてご覧ください。
システムが完成しても,実際に使えるものでなければ無意味です.
路上テストを行い,感触を試してみます.
まずは,セレクタをSポジションへ.
メーターパネルに表示される「S」は本来「スポーツプログラム」のSですが,
今の私には手元でシフトを行う「スタンバイ」のSに見えてきます.
初物ということもあり,特にブラシホルダ周辺を時々見ながら街中・山道・高速道路など
およそ1,000km走行し,テストしました.
結果は,非常に満足のいくものでした.
せいぜい山道くらいでしか効果は無いだろうくらいに思っていましたが,
日常で遭遇するであろう様々なシーンで見事に活躍を見せます.
私が最も助かっているのは,交差点を曲がる際,手前でエンジンブレーキを使う場面で
ウインカーとシフトレバーを両方とも左手で操作しなければならなかったのを,
スムーズに同様の操作が行えるようになったことです.
高速道路でも,追い越し時はキックダウンより早いしタイミングも思いのまま.
普段よりも緊張を強いられる場面で,ステアリングから手を離さなくても良いので
精神衛生的にも良いです.
なお,スリップリング方式のためステアリングと一緒にスイッチも回転してしまい,
場合によっては操作しにくいです.
しかしそんな時は無理せず従来どおりシフトレバーも使えるので便利です.
また,スイッチがギョーザ部であるため,はじめは親指の位置が不自然かも…
と心配しましたが使ってみると問題ありませんでした.
そんなことより,フルノーマル内装を維持できた事のほうが満足だったりして.
スイッチの剛性感も問題無し.
さて今回一通りテストしてみて,改めてステアシフトの意味を考えさせられました.
F1マシンなどのレーシングカーでは,主にドライバーの無駄な動作を無くしてコンマ何秒の
タイムを縮めるという目的があると思います.
しかしZ3に関して言えば,そもそもステップトロニックのレスポンス自体が
格段に早いというわけでもなく,サーキットや峠でタイムを縮めたいのならはじめから
マニュアル車を選べば良いということになります.
まして私の場合,ほぼ街と田舎道専門です.
タイムがどうのということにははじめから無関心ですが,既述のようにウインカーを
出しながらのエンジンブレーキ活用をはじめ,トルクが欲しい場面での素早い擬似キックダウン,
凍結した下り坂でドキドキしながらエンジンブレーキのみで走行…
これらをステアリングから手を離すことなく可能にしています.
実際に使ってみるまで分からなかった効果が多いです.
ステップトロニックの良さを最大限に引き出すためのアイテムと言えますね.
構想3年,完成したステアシフトを使ってみて感じたのは,スポーツ走行用としての
イメージが先行していましたが,実は私が追求している日常の
「機能」「実用」「快適」を具現化するためのシステムであるということです.
また,DIYを通じてスリップリングの知識や各パーツ製作に関するノウハウ,留意すべき点など,
今後につながるであろう多くの知識を得られたことも非常に意義深いです.
最後に,ラジコン用ブラシの寿命が気になります.1,000kmテスト後はほとんど
摩耗していませんでしたが,このページでその後の経過を報告していく予定です.
とりあえず,消耗品ですが1年1万kmもてば合格かな,と考えています.
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