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第1話 「太郎1号、水没す。」

(作成:1997年4月14日 改訂:1997年7月12日)

(TEXT : やまそうカンパニー / E32-750i)
第1回目は750の水没実験の報告です。
私は、浦和市内のマンションに住んでおります。このマンションは駐車場が、マンショ ン前の道路より低いところにあり、やや排水に難があることは前々から気づいていまし た。
数年前の夏、私は、88年に購入したブル−メタリックの750il「太郎1号」(ロ ングボディです)をこのマンション内の駐車場に駐車したまま、久々にとれた休暇を南 の島で満喫しておりました。ところが、この間、大雨が降ったのです。
成田からレンタカ−を転がして帰ってきた私は、駐車場の自分の区画の前にレンタカ −を止め、太郎1号といれかえようとして「おや」と思いました。ドアのオ−トロック が全部リリ−スされ上がってしまっているのです。
ドアをあけて2度びっくり。
室内はちょうどロッカ−パネル(ドアをあけたとき、足下にBMWというロゴが張って ある部分です)のちょいと上まで、びしょびしょなのです。びっくりした私は、思わず 一度開けたドアを閉めてしまいました。
私も、損害保険会社に勤める身、水没車は何度も見たことがありますが、まさか「太郎 1号」が素潜りしてしまうなんて…。
さて、水没車で一番怖いのは、ウオ−タ−ハンマ−現象とかいうやつです。要は、エン ジン内に水が入った状態でクランキングしてコンロッドを曲げてしまう訳です。
「水没車は、クランキングしたらだめ。」エンジンに水が入っているかはオイルを抜い てみないとわかりません。オイルを抜く気も起こらず、したがってセルは回しませんで した。
「コンピュ−タ−が水没したら全損だ。」通常、保険の査定ではダッシュボ−ドの一番 上まで水没したら全損」とされています。そして、「太郎1号」のEMLはダッシュボ −ドの裏側にあるのです。今回は、水没免れたか。…甘い。コンピュ−タ−の一部は バッテリ−とともにリアの電動シ−トの下にあるのです。当然、コンピュ−タもバッテ リ−もアウトでした。(ホ−ンも鳴らない・ライトも点灯しませんでした。)
「レッカ−手配」直ちにディ−ラ−に連絡を取って状況を説明し、トラポンを呼びまし た。夕闇の中、トラポンに引っ張り上げられて去ってゆく太郎1号。請求書を考えると とても悲しい。
「修理明細」
修理には約1ヶ月もかかりました。
まず、室内のカ−ペットとインシュレ−タ−は全部はがして交換。
ロッカ−パネル以下の高さの配線関係も全部交換となりました。
幸いエンジンには水が入っておらず、ミッションも大丈夫でしたので、これらはオイ ル交換のみでした。
また、私にとって幸いだったのはシ−トが水をかぶらなかったことです。ベ−ジュの 皮シ−トですからもし水をかぶっていたら交換となりべらぼうな請求書となったと思 います。
ただ、キャタライザ−が交換となったのは痛かった。さゆうで71万円でした。合計 請求額は163万円。高くついた夏休みでした。
今回の教訓「愛車をおいて海にゆかないこと。すねた愛車はひとりで素潜りしてしま うから。」

次回は、ランチアデルタと50キロでTボ−ンクラッシュ。衝突実験敢行の巻きです。 また見てね。
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