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第6話 「時々6気筒お休み。V12が片バンクになるとき」
(作成:1997年5月13日 改訂:1997年7月12日)
(TEXT : やまそうカンパニー / E32-750i)
最近トヨタセンチュリ−がV12を搭載するようになって、広告のキャッチコピ
−に「片方のバンクに故障が起こっても残りのバンクの6気筒で無事走る」とい
うような事が載っています。
みなさんは、BMWのV12は「よく片バンクになる」という噂を聞いたことが
ありませんか。
実際のところ、実は私も、この「片バンク状態」という経験があります。
それは、ある日、122号線を走行中に突然やってきました。
突然、エンジンが吹けなくなって、激しく力がなくなってしまったのです。40
キロ位では走れるのですが、踏み込んでもなかなか加速しません。ともかく、回
転が上がらないのです。
「誰かリアバンパ−にでもつかまってるんかな」と思わず後ろを振り返りつつ、
路肩に停車。
車外に降りますと、生のガソリンが燃えないまま出てきたような激しい排気臭が
します。
アイドリングも不安定でドロドロゴロゴロ言っています。
「これが噂の片バンク状態かな。」と考え、その足で、修理に入れました。
修理に入れてみたところ、やっぱり、いっちゃってました。
V12はスロットルをリンケ−ジやワイアではなく電気信号でコントロ−ルして
います。いわゆる「フライバイワイア」というやつなんですが、この方式は航空
機などにも使われており信頼性が極めて高いそうです。
しかし、太郎1号のフライバイワイアは信頼性ではなく不確実性が高い奴で、結
局、電気信号を受けてスロットルを開け閉めしている「DKモ−タ−」があかん
ということで「交換」となりました。
交換は左右のDKモ−タ−で部品代は27万円。(片方だけ代えてってゆうのに
いい(涙))
交換後は対策部品なのでしょうか、2度と、トラブルは起こさなくなりました。
どうも日本は強力なモ−ビルハムを積んだトラックが多いので初期型の電装部品
は、これでおかしな動きをしてしまったようです。(ちなみに、先日E38の7
50に乗ったときにエンジンル−ムを見ましたがDKモ−タ−は倍位の大きさに
進化していました。よいなあ−)
で、修理の間、代車の750に乗っていたのですが、これが、大層、吹けがよい
のです。
右折の時の立ち上がりも素早く、ASCを切るとたやすくパワ−スライドします。
「なんかうちの太郎1号とえらいちがうやん。」
そこで、もう一度、入庫して、点検してもらいました。
原因は、割と簡単に判明。V12の右バンクと左バンクの同調がうまくとれてい
なかったのです。
まるで、一昔前のキャブレ−タ−のV12のような話ですが、左右のバンクの同
調が、完全にとれていないと、V12は持てる力の7割位しか発揮しません。そ
して、同調が完全にとれていない750が結構あるようです。
同調を取るためには高速に持ち出して、指定されたいろいろな速度でオペレ−シ
ョンをするそうなのですが、素人には難しいようなので、ディ−ラ−でやっても
らいました。
結果はベリグウ。
これに味をしめた私は現在の太郎2号でも同調の取り直しを行い、よい結果を得
ています。750・850にお乗りのみなさん。一度、同調の取り直しをしてみ
てはいかがでしょうか。
次回は、「不整脈発生。アイドリングの不安定について」お送りしたいと思います。
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