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第8話 「ついに出た。コンピュ−タ−交換。やまそう自己破産か」

(作成:1997年5月27日 改訂:1997年7月12日)

(TEXT : やまそうカンパニー / E32-750i)
私の家のそばを外環が走っております。外環の下を国道が走っており、 常日頃、私は、この道を走っています。


1.またまた太郎失速

その日も暑い夏の日でした。太郎は快調にこの道を走っておりました。 ちょうど、17号線と交差し、17号線の下をくぐるトンネルを走行 中のことでした。
「そういえば、この間の大雨の時に、前を走っていた知り合いのシト ロエンが、フロントガラスに高速道から落ちてくる排水の直撃を受けて、 ワイパ−が一発でお釈迦になって、途方に暮れておったなあ」などと、 他人の不幸を思い出していたのもつかの間、「ポ−ン」と車内にアラ −ムの音が響きわたったのです。
「すわ、一大事、徳大寺」などとくだらないことを言っている間に、 太郎はどんどん失速してゆきます。 でも、全く死んでしまったわけでもなさそうです。 スロットルへの反応が極端に悪いのですが40キロ位で走ります。
まあ、動くんならこっちのもの。よたよたでも動くうちに撤退せねば。 道ばたに太郎2号を寄せて、ハザ−ドをつけました。
さてみなさん、回転計の下のコントロ−ルパネルにはどのようなエ ラ−メッセ−ジが出ていたでしょうか。
「トランスプログラム」
オ−ナ−ズマニュアルを見ますと、「オ−トマチックトランスミッシ ョンもしくはそのプログラムに不都合がある時点灯する」とあります。
「ミッションに不都合!うっつ!ガク(バタ)」
私はその場で死にました。
以前、フロントの方からBMのオ−トマチックトランスミッシ ョンの寿命やオ−バ−ホ−ルについて聞いたことがあるんですが、 巷で言われているように7万キロや十万キロで壊れるようなことはない 事、壊れるのは、クラッチが多いこと、基本的にオ−バ−ホ−ルには なじまないので、通常リビルト品に乗せ替えること。などを思い出し ました。
「確かリビルト乗せ替えで40万円とか50万円とかいう話だったっ け。」
私は、2度死にました。
まあ、幹線道路の道ばたで何度死んでも仕方がないので、やおらスタ −タ−を回して再始動したところ、全く正常なのです。走り出しても 快調に走ります。「しめしめ、しばらく様子を見よっと。」
さて、この後約1ヶ月に渡り、1日1ないしは2回、このような「ト ランスプログラム」のエラ−が出て、三速にロックされてしまう経験 を繰り返しました。
こうなると、さすがの辛抱強い私も、堪忍袋の緒が切れました。


2. 毎度おなじみの入院

さて、暑いさなか、ディ−ラ−に持ち込んで、トラブル解析をお願い しました。私は、症状の経過から見て「オ−トマの制御回路のどこか の不調だろうなあ。」と思っていました。
「何日か預からないと症状が出ませんから」これも毎度のことですが、 サ−ビス工場に着くと太郎はいつもお利口さんです。こちらもそんな ことは端からお見通しですから「もう思う存分預かってください」と 訳の分からないことをフロントマンに言い置いて、ディ−ラ−を後に しました。
数日をおいて、連絡がありました。原因は「DME」らしいので交換 との事でした。
みなさんはDMEとは何かはご存じだと思いますが、要は、エンジン をマネ−ジメントしているコンピュ−タ−システムのCPUのことです。 ようは、パソコンを修理に出して「いやあ、CPU交換ですねえ」 といわれたのと同じです。
当然、パソコンのようにCPUだけ取り替えられないので、コンピュ− タ−交換!
私は、三度死にました。

3. 退院後

交換後は、また絶好調。(みなさんは、私のメンテ9をお読みになって、 太郎はいつも入院していると思われているかもしれませんが、入院は一 年に二回くらいです。あとは、絶好調で走り回っています。)
退院後にシャ−シダイナモでパワ−測定をしてみましたが、きっちり3 10馬力出ていました。もう、カタログ写真そのまんま、ホイ−ルも純 正のまんまの「どノ−マル」ですが、こまめに整備していれば、もてる 力はちゃんと発揮するもんだなあと思いました。

さて、来週は、北関東オフミに出撃してお休みかもしれませんが、次回 は、「なぜブレ−キペダルが床まで踏み込めるの?不思議なブレ−キの お話」をお送りします。みんなのブレ−キは元気かな?また見てね。
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