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第16話 「ブレーキホースをステンレスメッシュ製に交換」

(作成:1998年12月23日 改訂:1998年12月24日)

(TEXT & PHOTO : Tetsu / Alpina B6-2.8 Touring)

B6は,エンジンと排気系,そしてサスペンションにはチューニングを施していますが,何故かブレーキはノーマルです。これはB3についても同様です。走る性能をアップしたなら,止まる性能もアップさせて欲しいと思うのですが,ノーマルブレーキで十分とアルピナは考えているのでしょうか。僕としてはノーマルのブレーキが今一つもの足りず,以前より何とかしたいと思っていました。

ブレーキのチューニングアップにもピンからキリまでありますが,今回はコストパフォーマンスが最も高いと思う,ノーマルのゴム製ブレーキホースをステンレスメッシュ製に交換する方法を選択しました。

ブレーキングとは,オイルプレッシャーによりブレーキキャリパー内のブレーキパッドをブレーキディスクに押し付けて摩擦力を発生させることにより成立します。しかし,ブレーキキャリパーはタイヤと一体で上下運動を行う必要があるため,ブレーキキャリパーへ接続されるブレーキオイルを送るブレーキホースは,どうしてもフレキシビリティーが必要になります。量産車でフレキシビリティーを持つホースとなると,コスト的にはBMWと言えどもゴム製になってしまいます(M3等の一部の車両を除きます)。しかし,ゴム製ホースは,ある一定以上の高いオイルプレッシャーが掛かかると膨張してしまい,ブレーキパッドに伝わるべきオイルプレッシャーが損失してしまいます。これにより,ブレーキングのダイレクト感が損なわれてしまいます。感覚的には,フルブレーキングを行った時,ブレーキペダルの最終ストロークで,ゴムを踏んでいるようなブヨブヨした感じになります。ゴム製のブレーキをステンレスメッシュ製に換えると,ブレーキホースでのオイルプレッシャー損失が殆ど無くなり,ブレーキパッドとブレーキディスクの触れ合う感覚さえも感じることが出来るほど,ダイレクト感に溢れたブレーキングを味わうことが出来ます。

ステンレスメッシュ製ブレーキホースのメーカーは,僕の知っている限りでは「アールズ」「グッドリッジ」の2社です。
今回は入手性が良かった「グッドリッジ」を選択しました。

作業をお願いしたのは,神奈川県平塚市にある「平井タイヤ」さんです。
手順としては・・・
1)リフトアップしてタイヤを外します。
2)ブレーキオイルを抜きます。
3)ノーマルのゴム製ブレーキホースを外し,ステンレスメッシュ製に交換します。
4)新しいブレーキオイルを入れます。ブレーキパッドが減っている場合は,ブレーキオイルもその分少な目に入れます。
5)4輪のブレーキすべてについてエア抜きを行います。これをいい加減にやると,ブレーキホースをステンレスメッシュ製に交換した意味が無くなってしまいます。
6)タイヤを元に戻して作業は完了です。作業時間は約1.5時間程度でした。

使ってみた感想ですが,やはり交換して良かったと思っています。
ブレーキペダルの踏み込み量に比例してペダルの反力が強くなる様になったので,ブレーキコントロールが楽になりました。そして,ブレーキパッドとプレーキディスクの触合う感触がハッキリとブレーキペダルに伝わるようになり,僕好みの味付けが実現できたことには満足しています。サーキットでも走らない限り,このブレーキで十分であると今は思っています。

平井タイヤさん,そして,今回このメンテを薦めてくださったMさん,ご協力感謝します。m(__)m

そして,そして,今回のリフトアップでクルマの下回りを眺めていたら,意外な不具合を発見しました。この不具合というのは,E36に共通する症状の様です。
これについては,次回にお話させて頂きます。



【フォト1】
4輪を外してリフトアップです。
クルマの下で股を広げていらっしゃる方こそが・・・・。
う〜ん,青空が気持ち良いです。
ブレーキホース・フォト1
【フォト2】
これが,グッドリッジのステンレスメッシュ製ブレーキホースです。
長い2本がフロント用,短い4本がリア用です。
何故かドラえもんが・・・。
ブレーキホース・フォト2
【フォト3】
ショップの方が純正のブレーキホースを外している場面です。
オーバートルクで絞められたナットがあり,かなり苦労されていました。
ブレーキホース・フォト3
【フォト4】
フロントに取り付けられたステンレスメッシュ製ブレーキホースです。
ブレーキホース・フォト4
【フォト5】
話題がチョット逸れますが,これがアルピナのステンレス製エギゾーストパイプです。
一年半以上経っていますが,新品のように奇麗でした。
ブレーキホース・フォト5
【フォト6】
ちょっと読めませんが,ステンレス製エギゾーストパイプには「BOYSEN」と刻印されたメーカープレートが付けられていました。
アルピナに限らずBMWのエギゾーストパイプも,この「BOYSEN」のものと聞いたことがあります。
ブレーキホース・フォト6
【フォト7】
番外編です。(^^ゞ
ショップのキャリアの足回りは,強化サスとスリックタイヤで固められていました。
ブレーキホース・フォト7


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