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第5話 「究極の慣らし運転とは!」

(作成:1997年5月24日 改訂:1997年7月24日)

(TEXT : Tetsu / Alpina B6-2.8 Touring)
今回は,私が実施している「慣らし運転」についてお話しします。
そんなの分かっているよ,とおっしゃる方もいらっしゃるとは思いますが, まあ聞いてやって下さい。

これからお話しする内容は,モータージャーナリスであり, BMWドライバートレーニングのチーフインストラクターであり, そして日本におけるBMW第一人者であらせられる,あの「こもだ きよし」氏 (別名「プロフェッサーこもだ」)からのアドバイスを,会員No.124の 「いいんちょ」さんより教えて頂いたものです。
情報を提供して頂いた「こもだ」氏,そして「いいんちょ」さんに感謝致します。

B6に付属している「アルピナのマニュアル」には,1000kmまでは 3000回転まで,2000kmまでは5000回転までと言う「慣らし運転」 が示されています。
私が実施している「慣らし運転」は,これより緻密なのですが, その効果はかなりのものと聞いています。
この「慣らし運転」影響かどうかは定かではありませんが,現在の走行距離 1800kmであるB6のエンジンの当たりは格段に良くなりつつあります。
私は,この「慣らし運転」を,「究極の慣らし運転」と勝手に呼んでいます。

「究極の慣らし運転」。


1.エンジンについて

1.1.
キーポイントは,とにかくエンジンを回すこと。

1.2.
走行距離500kmまで,エンジン回転数の上限を3000rpmとする。

1.3.
その後,500km毎に,エンジン回転数の上限を+500rpmとする。

1.4.
エンジン回転数の上限がレブリミット(普通6500rpm)まで来た時点で, 走行距離は4000km程度になります。高回転型エンジンのM3等はもうちょ っと走る必要があると思います。

1.5.
この後,走行距離が+200km位になるまで,3000rpm以下に落ちない ようにして走ります。

1.6.
ここまでで,トップエンドまでスムーズに吹け上がるエンジンに仕上がります。

1.7.
走行距離が10000kmを越える頃に最高のコンディションになり,燃費もこ の頃から良くなります。


2.MTについて

2.1.
キーポイントは,力を入れてシフト操作をしないこと。

2.2.
力の入った素早いシフト操作は禁物。
ギアやクラッチ板の偏磨耗,ギア鳴りの原因となります。

2.3.
シフトチェンジの時は,ニュートラルで一瞬止め,ギアを入れる時には押し込ま ずに,入れるギア側に軽く押し付けるようにします。

2.4.
この様にすると,回転差が吸収されてスッと吸い込まれるようにギアが入ってく れます。


3.渋滞後について(慣らし後も実施)

3.1.
キーポイントは,エンジンを回してあげること。

3.2.
渋滞の中を走った後は,エンジン回転を3〜4000rpm以上に保ったまま, 暫くの間走り,内部のカーボンを燃焼させてあげます。


4.暖気運転について(慣らし後も実施)

4.1.
キーポイントは,暖気は車全体に対して行うべきということ。

4.2.
一般に言われている停車しての暖気運転は不要です。
絶対にやらないこと。

4.3.
エンジンは暖まっていても,ミッション/サスペンション/デフ/タイヤ/その 他の各所は冷えたままです。
そのままで普通に走りだすと,各所に負担がかかり悪影響を及ぼします。

4.4.
エンジンを掛けたらすぐに走り出してもかまわないのですが,暫くの間は各操作 をゆっくりと行い,車全体の暖気を心がけます。

4.5.
こうして,水温・油温が上がった頃に,車は走行準備完了。
運転を楽しんで下さい。


以上が,「究極の慣らし運転」です。エンジン回転を抑えて走るのは結構難しく, フラストレーションもたまりますが,最高の状態にクルマを仕上げるために 我慢しましょう。
これから,新車納車の方々,参考にしてみて下さい。
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