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第8話 「DIYメンテその8− リモコン/セキュリティー・システム取り付け体験記パート2」
(作成:1997年8月22日 改訂:1997年8月23日)
(TEXT : サモア320i / E36-320i)
§第3章 開けて閉めてオン・オフ・オン・オフ・・・・
とりあえずそれらしい線が見つかったので、ここでリモコンのユニットを仮配線して動作確
認をしてみることにしました。
ユニットに付属のコネクターはAMP製のごついもので、こ
れに合う物を探すのは大変そうだったので思い切って切断し、線1本1本にキボシ端子のコ
ネクターを取り付けて配線することにしちゃいました。
電源は以前にCDチェンジャーを自
分で付けたときに取ったところを流用し、セントラル・ロック・モジュールへの配線は迷っ
た末に基板のコネクタ部分のピンに直接はんだ付けというちょっと(?)大胆な方法をとり
ました。
いかげんな配線による接触不良や、先のショートの件が気になったので確実な方法
をとろうというのがその趣旨だったのですが、同時にこの行為はモジュールの改造に相当す
るのでメーカー保証は当然のことながら効かなくなります。
「もし壊しちゃったら高くつきそうだなぁ..」
などと考えながら、部屋に持ち帰ったモジュールにはんだ付け作業を行いました。
再び車に戻って配線を接続すると、なぜかアラームのインジケータが点滅している。...
「ま、いっか」と思いつつおそるおそるリモコンのロックボタンを押すと...
反応がない。..。
「んっ?」と思って取り説を見直すと、最初にリモコンのIDをユニットに認識させる必要
があるらしいことがわかった。(^_^;が、しかし、その方法が問題だった。IDの学習モー
ドに設定するには、
1.トランクをあける。
2.運転席のドアを開けて車に乗り込み、ドアを閉める。
3.イグニッションのOFF−>ONを5回繰り返す
という動作が必要と書いてある。
つまり、トランクとドアの配線もしないといけないのだ。
「がぁーーん、なにそれぇ。」
今回はセキュリティの機能はおいといて、とりあえずキーレス・エントリーの機能だけ使え
るようにしようと思っていたのでこれはちょっと誤算でした。
よくよく考えてみれば、どういう作動原理でドアのロック/アンロックがなされているのか
まったくわかっていないし、つないでいる線が正しいのかどうかもよくわかっていない。
どうせいつかはセキュリティ機能にも手をつけることになるんだし、
「こうなったら、徹底的にやるしかないか。」
そう決心し、新ためてドアの配線とアラーム・ユニットの解析に着手することにしました。
§第4章 アメリカ仕様は3ドアセダン?
これまでにすでに3ヶ月以上を費やしていました。
平日は通勤で車を使っているし、週末も
ほとんど車を使わないことは無いので、作業できる時間が限られているのです。
グローブ・ボックスは何度も脱着するのが面倒なので10mmボルトでのみの取り付けでしのいでいる
し照明やソケットの配線も当然省略。
これだと20秒くらいで取り外しができるし、エアバッグの作動にも支障はなさそう。
また、意外に立て付けがいいらしく、ビス6本を省略しているにもかかわらずガタもなく
走行中の音もしないので都合がいいです。
ちょうど海外通販で購入したCHILTONのリペア・マニュアルも手に入ったので、それ
を参考にしてドアまわりの配線を解析することにしたがお世辞にもわかりやすいとは言えそ
うにない配線ダイアグラムであまり役にはたちませんでした。
唯一、ドアのロック・ノブを
動かすとロック時/アンロック時に+12Vをに切り替えて出力しているらしいことだけは
わかったので、その線を追いかけてみることに。
今回は前回のショートの件への対応策とし
て、モジュールから外したコネクターをバラしてテスターをあてることにしました。
具合のいいことにコネクターのプラスチックのカバーを外すと各ピンのロック部分が露出している
ので作業は前回に比べはるかに楽チンかつ安全でした。
結局、左右のドアのロック/アンロックは別々の配線になっていて、そのほかにロックの状
態を示す線がみつかったのでメモにピン番号を記録し、次いでドア・スイッチの配線を探る
事にしました。
ドア・スイッチの配線はスイッチを外すと配線の色コードが確認できたので、モジュールの
コネクターの同じ色コードの線のとの間で導通チェックをして確認できた。
ちなみにリヤの
スイッチ部分からフロントのモジュールまではテスターの線が届かないのでワニ口クリップ
付きのコードで適当に延長して接続し確認しました。順調、順調。
が、ここである疑問が浮かびました。
アラームのユニットにはドアのセンサー用の配線は3
つ用意されています。クーペモデルやZ3などに取り付ける際にはこのうちの1つを使用し
ないとの記述がマニュアルにあることから、3つのうち2つはフロントの左右ドアに使用す
るものと考えて間違いないはずです。
ということはリヤはどうすればいいのだろう??
リアのドアのスイッチもフロント同様に左右別々に配線されているのでセンサーの取り付け
配線も2つ必要なはずなんですが。
うーん、アメリカ仕様は3ドアセダンなのだろうか?
ま、そんなバカな話はないので、きっと左右並列にスイッチが接続されていて配線が簡素化
されているのだろうと無理矢理納得することにしましたが。
さてお次はトランクの配線です。
が、こいつはコネクターのどのピンにも該当がありませんでした。
フロア・カーペットやリヤ・シートをはがしてフロントとリヤをつなぐ配線を追っ
かけてはみたものの、結局該当なし。
どうやら日本仕様ではトランク・スイッチの配線はフロントには来てないようでした。
うーん、どうしよう。リアのドア・スイッチの配線なんか
簡素化していいからトランクの配線フロントにまわしてくれればいいのにぃ...
§第5章 閉じ込められる
再びロック・モジュールを部屋に持ち帰ってはんだ付け。
トランクの配線ないんだよなぁ..
と思いつつ、できあがったモジュールを車に取り付けて、リモコンのID学習にチャレンジ。
学習モードに必須のトランクの配線は+12Vでも入れるのかな?と思って試してみた(^_^;
がID学習モードにならず、反対にアースに落としてみたらうまくいきました。v(^o^)
「今度はうまくいくだろう。」
そう思いつつリモコンのロックボタンを押す。...反応なし。
「あれ?」と思いつつもう一度ボタンを押すと、「ガシャ」という音と共にロック作動。
「おぉ!動いた!!」と感動しつつアンロックボタンを押すが反応なし...
何回押してみてもだめ。
「うーん、アンロックを付ける線間違えたのかなぁ...」と思いつつ、再度ロックの作動
確認をしようとドアロックを手で解除するためにロックノブに手を伸ばすと...。
「げっ、解除できない。これってダブルロック状態なんだ」
ドアノブを引いてみたが、こちらも駄目。
なんと車内に閉じ込められてしまった(^_^;
「どうしよう」とちょっと悩んだが、すぐにイグニッションにキーを挿し込んでONにし、
パワーウインドウをあけ、ドアの外側の鍵穴にキーを挿し込んで解除。
キーが車内にあってよかったとほっとする瞬間でした。
(^_^;解除後、何度かロックのテストをしてみましたが、
ロックできる確立が2割程度で、まるで使いものにならない。
おまけにアンロックは全くだめ。
リモコン・ユニットからの+12Vの出力の時間が短すぎるのかなぁ..などと考えな
がら、対応策を検討。
とりあえずリモコン・ユニットを部屋に持ち帰り、解析を行うことにしました。
なぜか家には自動車用のバッテリーがあったりするので、それにリモコン・ユニットをつな
ぎ、リモコンのロック/アンロックボタンを押して動作の確認を行いました。
ユニットのロックとアンロックの線をテスターであたりながら、ロック/アンロックを繰り返してみた結
果、次のようなことがわかりました。
ロック時:
ロック線 : +12V
アンロック線: +12V
アンロック時:
ロック線 : 0V
アンロック線: +12V
ここで+12VはON/OFF時にパルス的に出力されるもので、恒久的な出力ではないの
ですがアンロック線にはロック時もアンロック時にも+12Vが出力されるのです。
この仕様をちょっと疑問に思いながら、海外サイトのドアロックの資料をみるとそうやらこれはダ
ブルロック(ドアについているロック用のノブの動作が無効になる)用に必要でそういう仕
様になっているらしいことがわかりました。
当初、ユニットのロック/アンロック出力はステート線につないでいたのですが、どうもう
まくいかないので結局助手席の配線を横取りする方針に変更することにしました。
この方法だと助手席から全部のドアのロック/アンロックができるという国産車とは異なるBMW特
有(?)の機能は失われてしまうのですが、このときはそうたいした影響はないだろうと思
いそういう仕様で作業をすすめていくことにしました。
結果的にはこれによってロック/アンロック共にほぼ確実に作動するようになったのですが、
今度はダブルロックがかからなくなってしまいました。
そりゃそうだよな。うーんなかなか手強い。
そこで、急遽ダブルロックの線を探すことにしました。
ドアの内張りを剥がしてドアの鍵穴付近にいっている線を探るとそのにコネクターがあった
ので「これかな?」と思いテスターをつないでみましたが、2本のうち1本は常に+12V、
もう1本は常に0Vでドアのロック・アンロックの影響はうけませんでした。
他にそれらしい線もないし、「うーん、ちょっとつないでみよっかな」とおもむろに
2本をショート(^_^;;
結果は見事ビンゴ!!
ダブルロック状態になりました。
「ラッキー」と思いつつ何度か動作確認をしていたらいきなりウィンドウが閉まりはじめた。..
「おぉ!!そういえばそういう機能があったっけ。ということは....」
ここで、これまでにわかった配線を以下にまとめておきます。
黄色プラグ
| ピン番号 | 色コード | 機能
|
#1 | 白/緑 | 右ドア アンロック
|
#2 | 白/茶/黄 | 左ドア アンロック
|
#3 | 白/緑/黄 | アンロック・ステート
|
#13 | 白/赤 | ダブル・ロック/ウィンドウ・クローズ
|
#14 | 白/黒 | 右ドア ロック
|
#15 | 白/灰 | 左ドア ロック
|
#16 | 白/青 | ロック・ステート
|
緑色プラグ
| ピン番号 | 色コード | 機能
|
#2 | 茶/灰/黄 | 左前ドア・スイッチ
|
#3 | 茶/青/黄 | 右前ドア・スイッチ
|
#4 | 茶/黒 | 左後ドア・スイッチ
|
#5 | 茶/白 | 右後ドア・スイッチ
|
註:年式その他の違いによりピン番号や色コードは異なる可能性があります。
(つづく)
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