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第17話 「E30版:ATシフト・インジケータの取り付け」

(作成:1998年6月3日 改訂:1998年10月28日)

(TEXT & PHOTO : DAB / E30-325iカブリオレ)

[メンテ14](=カブリオレ)と言うよりも[メンテ10](=E30)ネタですが、 お付き合い願います。

E30もE36と同様メーター内にシフトインジケータは無く、シフト位置の確認は レバーを見るしかありません。
そのため、「今何速に入れてたっけ?(エンジンブレーキを効かせたい時等)」とか、 「なんかシフトアップしないなー?(シフトダウンしたままなのを忘れている)」などという時、 「この視線移動の瞬間は危険だよなー」と思いつつもその都度シフトレバーに目を移していました。
また、こうするしか手は無いものと諦めていました。
ところが、[メンテ13]第10話に
>「無い物は仕方がないから自分で付けよう」ということでインジケータを自作・・・
とあるではないですか。
「そういう手が有ったかー」ってな感じで、目から鱗が落ちましたね。
で、早速私もチャレンジしてみました。

必要なのは、シフトポジションの検出とその表示の2点ですよね。
まずシフトポジションの検出ですが、
>シフトポジションの選択がちょうど4ビットの組み合わせ・・・
私ハード屋なのでこういうの全然OKなんです。
それでも一応自分の車を確認しておこうとATセレクター周りを見てみたら、E30の場合電線は 9本の様です。
ということは、P・R・N・D・3・2・1それぞれを示す線+アースか何かかな?、これなら ここからポジション検出信号を直接取り出す手もありかも、などと考えました。
次に表示ですが、サモアさんは7セグメントLEDを使ってメーターの中に仕込まれたようですが、 さすがにメーター正面に加工を施すのはためらわれました。
そこで別の手を思案したところ、SII(Service Interval Indicater)のLEDが丁度7個で、 赤と黄をPとRに割り付ければピッタリー (^O^)v とひらめいたのです。
LEDの点灯制御回路なら[電源−LED−抵抗−トランジスタ(ON/OFF制御)−アース] たりでしょう。
そこで実際に回路を確認するため、メーターを外し中の基板のLED周りの回路をパターンから 探ってみると、予想と少し違う[トランジスタ(電源)−LED−抵抗−IC]であることが 判りました。
このICが内部回路や動作が判らないだけに嫌だな、とは思いましたがまあ何とかなるでしょう。
なお、LEDの電源電圧は3Vのようです。
(これで、LEDの電流計算が出来る。)
SIIの表示との兼ね合いについては、「どうせ活用はしていないのだからSIIの表示は 止めてしまう」という手も考えましたが、全く無しにしてしまうのも忍びないので、LED 以下にパラにもう1系統[−抵抗−トランジスタ(ON/OFF制御)−アース]を追加して LEDの点灯に関してorの関係にすることにしました。
LED部に関してここまで判れば、あとはシフトポジション選択部から得られる信号の仕様も 調べなければなりません。
この部分の当初の私の予想は、[P・R・N・D・3・2・1それぞれを示す線+アースか何か]です。
この予想の基に、イグニッション・スイッチLOCKの状態でATセレクター周りのコネクタを テスターであたってみたのですが、何か変?。
対アースの抵抗値が一定しない。
そこで本を調べると、イグニッション・スイッチONorSTARTの時12Vが通電され、PorNで その12Vが通過するところはあるらしいのです。
で、今度はイグニッション・スイッチONの状態で対アースの電圧を調べたところ、やっと判りました。
結果は予想と少し違い、
 @イグニッション・スイッチONorSTART時にのみ12Vが出る(アース以外)
 A3を示す線は無く、Pも単独では示す線が無い
 Bそれ以外のポジションは、単独で12Vが得られる
 C9本の線の内、1本は使われていない
だったのです。
ちなみに、その配置は

   −−−−−−−−−
  |12V × アース|
  | N  R P/N|
  | 1  2  D |
   −−−−−−−−−

でした。(右上が茶色の線とする)
それでもこれならば、3はP・R・N・D・2・1のどれでもない、PはP/NだがNではない、 とすればそれぞれのポジションを特定できます。

さあここまで判れば、いよいよ回路の取り付けです。
まず最初に小基板にチップ部品を使って回路を組み、それをメーター基板の裏側へ両面テープで 取り付け、必要個所の配線をしました。
両面テープでの固定でも、メーターを組み立て直した時ケースに押さえ付けられる位置なので、 動く事は無いでしょう。
ポジション検出回路側には、コネクタを付けました。
なお、既存の抵抗−IC間には念のため逆流防止用にダイオードを入れました。


AT-meter


次はシフトポジション選択部からの信号の引き出しです。
コネクタ周りにスペースが無いため、かさばる手段は使えません。
で、ちょっと迷ったのですが、結局コネクタの端子部分に直接電線を半田付けしちゃいました。


AT-shift


メーターを元に戻し、念のため追加回路のコネクタを接続する前にSIIによるLED表示に 問題が無い事を確認した後、さあいよいよ追加回路のコネクタを接続してイグニッション・ スイッチON。
SIIが示す緑LED5個と共に、Pポジションに相当する赤LEDが点灯します。
この状態でシフトレバーを移動すると、それぞれのポジションを示すLEDが点灯します。
緑LEDの部分では、1つだけが他よりも明るく光ります。
再びPポジションに戻しエンジンをスタートさせると、SIIによる点灯分が消えます。
快調快調。
この状態でしばらく様子を見たのですが、なかなか具合良いです。
ただし、昼間のオープン状態では少々LEDの明るさが物足りない。
赤はそのままで十分、緑もまあ実用レベルなのですが、黄が暗く判り難い。
そこで、赤以外を高輝度タイプLEDに交換してしまいました。
これで、バッチリです。

最後にメーターにテプラで作ったシールを貼って、ハイ出来上がり。\(^o^)/


AT-indicator

(”D”ポジション時の状態)

いやーサモアさんじゃあないけど、しばらくは用も無いのにシフトレバー動かしちゃいますね。


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