娑婆では銀行も証券も保険も、恰も寒椿の花が落ちるが如くに終焉を迎え、
まさに“虎の子ロシアンルーレット”状態の世紀末の師走1)、
会員諸兄におかれましては、二輪の諸兄も四輪の貴方も皆様無事息災でお過ごしでしょうか。
さて、師走は我々サラリーマンにとっては数少ない楽しみの一つ
「年末賞与」2)の時期でもありまして、
つい先日なぞディーラーを覗き3)
ますと大層な商売繁盛のご様子、誠にご同慶の至りです。
クルマにしてもバイクにしても、ナスやカボチャみたいにポンポン買えるようなお大尽ならともかく
小生の如きB級庶民にとっては結構な事業なんですよね。
雑誌買い込んでこれでもかってぐらいチェックいれて、
ヒョーロン家センセイの箱根だか箱庭だかのインプレ記事に一喜一憂して、
ディーラ行脚して営業氏の顰蹙買ったりして………。
まあ、あの買う前のあのウダウダって、何だかんだ言っても本人は結構楽しんでたりしてるんでしょうけどね。
恋愛期間4)みたいなものなんでしょう。
ましてや異国モノの金髪娘、それも情熱のババリアンに手ェ出そうっていう皆様のこととて、
その悦楽たるや並大抵のもんじゃなかったかと慎んでお見舞い申し上げます。
で、ウチのバヤイ。
初対面は96年の秋、時恰もBMWツーリングスペシャル限定200台もってけドロボーキャンペーンの真っ只中。
パニアケースとタンクバッグのおまけは魅力的でした。
加えてこの独逸娘は漆黒の肌を独逸白色にMライン5)で塗粧されておりました。
浜松のディーラ「動研」のツーリングスペシャルのスペシャル。
正直に白状します。初めて見た時はさすがに一歩引いちゃいました。
「こりゃ白バイ6)だわさ。」
営業のM氏も曰く、「ええ、これで高速走ってるとよく間違え7)
られて欧州車なんかが急にスピードダウンしてくるんで恐いんですよ」だって。
その上この娘、結構あっちこっちに手が入ってます。
スクリーン、オイルフィラーキャップ、パニアケースの薄型リッド、トップブリッジカバー、
シート張り替えなどなど、小物のドレスアップパーツが奢ってありましてほとんどショーモデル状態。
事実、いくつかの展示会での舞台をお勤めあそばしたとのことでした。
確かに、スクリーンは、純正のお顔が何だか「イカの剣先」みたいだったのがなかなか精悍に引き締まります。
オイルフィラーキャップはイタズラ防止に◎。薄型リッドは市街地走行で効果絶大。
お値段は定価からビタ一文負からん代わりにエクストラも一切無しの大判振舞い8)。
ハーフ・フルカウル合わせて10台(その後追加で5台ばかり作ったらしい)限定。
とにもかくにも目立つことこのうえなし。悪いこと一切できません。
乗りまわすにはかなりの根性がいると思いましたっけ。
まあ、諸般の事情9)もあって半年以上のクールダウン。
ふらりと立ち寄ったこの春の名古屋・吹上ホールは認定中古車フェアー。
四輪には目もくれずに10)一直線に二輪のコーナーへ。コンペイエローのK1、
イルカみたいなR100レンシュポルトなど、「う〜む、これぞ独車だわい」などとひとり悦にいっておりました。
で…、
結局歌姫の囁きには勝てませんでした。あれじゃ我慢しろってのは拷問ですよ、ハイ。
中古車フェアーでRSの新車の商談。今年モンはキャタライザー装備で問答無用の7万アップ。
パニアケース11)、グリップヒーター、
サイドスタンドキャンセラーつけたらRT買うのとどっこいどっこい。
RSの場合、グリップヒーター装着はハンドル交換を要するのでえらく高くつきます。
なんだかんだで乗り出しはK1200RSの新車価格ぐらいになりましょうか。
ちょっと待ってK1200RSもアリなのかもしれませんが、
些かのノスタルジーもあって欲しいのはやっぱりボクサーツイン。
それもRSのハーフカウル、捨て難いですね〜(←もう若くないでしょうに、免許大事に)。
RTは重いけど楽チンそうだしな〜(←ジジイの発想モロ出し)。迷いに迷いました、実際。
トドメはあの営業M氏とメカS氏の「例のスペシャル、ハーフが最後の1台御座いますよ。」
(←いい娘おりまっせ〜)。
あ〜あ、一年分の賞与が飛んできました。い〜の、金は天下の廻りモンだもん。
かくして、雪のように白い肌に装いを改めた独逸娘は、めでたく我が家への輿入れと相成ったわけであります。
前述の如く日本上陸後かなりの手が加えられていますから、
箱割の儀12)は残念ながら見られませんでしたが。
「ふつつか者ですがよろしくお願い申し上げます」状態13)で三つ指ついてる我が愛車。
これまさに至福のひととき。ツブれるまで(ツブすまで?)コイツと一緒だ〜い。
バイエルン原動機製造株式会社伯林工場で95年に生を受けてから
二度目の春14)も暮れなんとする、
つつじの花の美しい麗らかな休日のことでございました。
不幸にして「輿入れ当日原チャリ横恋慕里帰り二ヶ月事件」
(安藤社長にはいろいろお世話になりました)なども勃発いたしましたが今はおとなしく
おじさんおばさんキラー15)の日々を送っております。
ウチの色白美人だから。ちょっと太目だけど。
「ナラシ」16)のメニューはオナハンどおり、
最初の1000キロまでは高速道路タブーの4000rpm上限。様々な負荷のもと、ワインディングなぞ
走れとのお達しです。幸い当地は田舎にてがらスキのワインディングには事欠きません。
ウチではこれに加えて500キロでオイルとオイルフィルター交換、1000キロ点検以降は500キロごとに
500rpmずつレブのリミットをあげて4000キロでお仕舞の予定。鍍金シリンダーゆえ「ボーリング
+オーバーサイズピストン」作戦による再生は出来ませんのでやさしくね。
シフトは誠に渋くてストロークも大き目、いかにも独車。ただ少々締まりが無いようで節度感に欠けますが。
一度だけ2速へシフトアップしたと思ったらギヤが抜けたんで思いっきりあせりました。チェンジはゆっくり確実に。
普通のバイクと違ってシャフト+縦置きクランクですのでギヤ共々こちらもアタリがつくまで穏やかにどうぞ。
もちろんミッション内にダンパーは入ってますけどね。
また最初はニュートラルから1速が出にくいのでシグナルストップの際はご注意を。
特にオイルが冷えてる時は余計です。
添加剤は小生の主義としてエンジン、ミッション、デフともにアタリがついてからとしています。
15000キロ超えた位から全てがい〜い感じになってきますよ。お楽しみに。
ブレーキは500キロぐらいまで利き甘し、ガツンと利くほうではありません。サスも最初は渋いです。
リアダンパーは最初の300キロまでは一番柔らかい設定で慣らしましたが、かなりふらつきます。
タイヤの皮むき期間中はくれぐれも慎重にして下さい。
そして、もちろん人間の「ナラシ」の方もお忘れなく。
カムチェーンのメカノイズ、スロットル絞った時の「キョ〜ン」というバルブ鳴き、
新車の特権ゆったりとココロゆくまで楽しんでください。
今回はこれにて〜「はじめまして」17)〜のおしまい。
皆様が恋人と、あるいはご家族と楽しいクリスマスをお過ごしになられますように。
今年のケーキはBMWに鑑みてシュトレンなど如何でしょうか。モーゼルワインはメチャ甘口ですけど。
コメンテーターは「群馬県民アナウンス協会」のグレさ〜ん!!?・?・?グレさ〜んっ!!・・・?・?
(←©金)
ま〜た何処かで浮気してるな。
それでは皆様、アウフ・ビーダージーン!
●文中紹介したパーツはすべて単体でも入手できます。
写真はすべて「動研」のカタログよりスキャンさせて頂きました。多謝。
サイドスタンドキャンセラーは東京のディーラー「FLAT」でも同様のパーツあり。
<Call for Information>
皆様からの情報お待ちしております。
ストックでの完成度が極めて高いがゆえにリプレイス・パーツが少ないといわれる我らがBMWですが、
チューニングやカスタムの事例、社外やショップ・スペシャルのパーツ情報、
メンテのノウハウやビーマーライフのちょっとしたヒントなど些細なことでも大歓迎。
R・K・Fシリーズ、現行・/5・旧車など車種もキャリアもプロもアマも一切問いません。
ホイールやサス、エンジン関連のパーツなど情報がまとまり次第ここでご紹介していきたいと思いますので、
どうかよろしくお願いします。メールは「お便りコーナー」からどうぞ。