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第13話 「燃費の話」

(作成:1997年10月15日 改訂:1997年10月16日)

(TEXT : そえそえ / E39 528i )

果たして528がどのくらいの燃費なのか気になる方が多いと思います。そこで私 の様々な実験の結果をここに報告します。528の燃費は、様々な要素が絡み合い 市街地で5−8km/l.高速の長距離走行では10−14km/l程度です(10とはウ ルトラハイスピード走行14とはぬわわでの燃費走行です。)。その根拠となった データを次にあげていきます。

<燃費にこだわるようになったきっかけ>
待ちに待ったそえそえ号(528)がやっと納車になったので私はうれしくてたま りません。とにかく車に乗りたい私は妻といっしょに思い付くまま都内を散策しま した。都内ですからもちろん各所で渋滞しますがそれにも負けずにいろんな所を回 ってきました。慣らし中なのでエンジンを回すわけにはいきませんがエンジンのレ スポンスが楽しくアクセルワークも楽しんでました。しかし一つだけ気になる事が 。。。。まだ200kmほどしか走ってないのに燃料がほとんどないのです。確か出発前 に満タンにしたはず。もしやと思いガソリンスタンドで満タンにしてもらったらガ ソリンがはいるはいる。燃費を計算してみると何と4.5km/l!ビックリしてしまいま した。

<市街地燃費について>
市街地燃費データ
市街地燃費といっても何か基準があるわけではなく交通状況によって変わってくる のでかなりの幅があるものとなってしまいます。E39は特に交通状況や運転の仕 方による燃費の差が極端に出やすい車なので市街地燃費XXkmといっても余り意 味がありません。次の数字はあくまで参考にとどめておいてください。
*状況によりいろいろ変わるが5.0−7.0km/lくらいのことが多い。
*エアコンOFFだと0.5−1.0km/lくらい向上する。

市街地燃費向上作戦
瞬間燃費計に注目すると、大部分のガソリンを消費するのはアクセル踏むときです 。燃費向上のコツは非常に簡単でアクセルを踏む量と踏んでいる時間を減らせば良 いわけです。理想的には発進加速で得た速度をそのまま維持して長い距離を走り続 ける(惰性を最大限に利用する)と燃費は向上するはずです。途中での余計なブレ ーキは燃費を悪化させるだけです。十分な車間距離をとり交通の流れや信号のタイ ミングを読みながら早めのアクセルOFF,惰性の走行で距離を稼ぐという方針で 運転すると市街地燃費は1km/l以上向上しました。
最初はなかなか難しいのですが、通り慣れた道ならばその効果はてきめんです。そ の他の道でも回数を重ねるにつれてコツがつかめるので確実に燃費が向上するのが 実感できました。さらに慣れると交通の状況を見ながら燃費走行と通常走行のメリ ハリをつけて運転できるようになってきました。
みなさんも無理のない範囲で試してみてください。

<高速燃費について>
つぎは高速燃費データです。高速道路では平均速度により基本の燃費が決まりまり 、それから様々な燃費を悪化させる要素をひいたものが実際の高速燃費になります 。悪化させる要素とは無駄なアクセルワークを始め、気象状況(雨だと燃費が落ち る)や土地の起伏(平坦なところが燃費が良い)などです。またエアコンON/OFFで1 0%ほど燃費が変わります。

高速燃費データ測定事例1(速度と燃費の関係)
平均速度は高速燃費の支配的な要素です。次のデータは平坦な区間、くもり又は晴 れ、エアコンOFF、速度一定という状態で燃費計がどのくらいの値を示すかとい うデータを繰り返しとって平均したものです。燃費はコンピューターの値に4%の 誤差をひいて出したほぼ満タン法に近い値です。

ぬおわkm/h−−−約9.5km/l
ぬうわkm/h−−−約11.0km/l
ぬふわkm/h−−−約14.0km/l
ぬわわkm/h−−−約17.0km/l

一定速度の条件の下では速度が遅いほど燃費が良いという事実が読み取れます。8 0km/hでのデータは測定してませんがもし測定できたなら20km/lぐらいは走ってい るかも知れません。(注意:エアコンオンにしたら10%ほど燃費が落ちます。)
実際の運転状況では、速度一定のまま走り続ける訳にはいきませんし起伏があった りします。実際に長距離を走る時は”一定速度OOOkm/hで走る”のではなく”OOOkm/h を目標に走る”といった走りかたしかできません。この走りかたについても実際に 東京−大阪間で試してみたのですが、ぬわわ目標で14.0km/lぬおわ目標で11 .2km/lでした(いずれも場合も距離のシ分くらいエアコンON)。
”ぬわわ程度で走る”事を目標にすると勾配起伏の影響を強く受け実際の燃費は平 均速度に比して悪くなり。ぬおわを目標にすると(交通状況により実際にはぬおわ で走り続けることが不可能で平均速度が落ちる傾向にあるので)見かけの燃費は予 想より良くなりました。これが日本の交通事情の中での実際の燃費と思っていただ いても差し支えないと思います。

高速燃費データ測定事例2(燃費の悪化要素の検討)
実施日(9月13日,横浜−京都南)
今回の最高記録は14.7km/l.豊橋−養老の平坦地でエアコンONで100km/h一定速 度で走ったときに記録しました。燃費はコンピューターの値に4%の誤差をひいて 出したほぼ満タン法に近い値です。

*横浜−沼津(箱根の山越え、くもり、ぬふわ前後、エアコンOFF)
11.5km/l(山越えはきつい)
*沼津−掛川(緩やかな丘陵地、くもり、ぬふわ−ぬあわ、エアコンOFF)
12.7km/l(平均速度を若干上げても起伏が少なくなった分燃費は向上)
*掛川−豊橋(穏やかな丘陵地、くもり、ぬわわ−ふわわ、カーチェイス状態、エ アコンOFF)
9.9km/l(むちゃくちゃな走りかたをするとさすがに燃費は悪化)
*豊橋−養老(平坦地、くもり、100一定、エアコンON)
14.7km/l(じっと我慢の燃費運転、ただしエアコンON)
*養老−京都南(関ヶ原越え、小雨時々どしゃ降り、90前後、エアコンON)
13.8km/l
(悪条件が重なったにも関わらず平均速度を落としたため比較的良好な燃費)

実施日(9月15日、養老−豊橋)
行きに最高記録を出した区間ですが,どしゃ降りのため燃費が3kmほど悪化しました。
養老−豊橋(平坦地、ずつとどしゃ降り、90一定、エアコンON)
12.1km/l

今回の燃費測定は天候が不順であまり良い燃費記録は得られませんでした。しかし と天候と燃費に関してと土地の起伏と燃費に関して良いデータを得る事ができまし た。雨だと燃費が悪化し、土地の起伏が激しいのも燃費を悪化させる大きな要因よ うです。速度以外に燃費を悪化させる要素をまとめると次のようになります。
*無駄なアクセルワーク(ちょっとアクセルを踏んだだけでも燃費は大幅に落ちる)
*起伏や山越え(ほんのちょっとした上りでも燃費は大幅に落ちる)
*雨(小雨ならともかく、大雨になると水溜まりが走行抵抗を生み燃費は大幅に悪化)
*エアコン オン(10%程度燃費が悪化)

<感想>
高速燃費に関しては、速度が支配的な要素でこれに様々な燃費を悪化させる要素を 加えたものが実際の燃費になることがわかってきました。データを見る限り燃費を 稼ぎたければ速度を落とすのが一番のようです。私自身わかっているのですがなか なかできないですよね。でもエアコンを切ってがまんするくらいなら、平均速度を5k m/h落とすほうがスマートですよね。10km/hも落とすとお釣がきてしまいます。どう りでドイツで経済速度がはやっているわけです。
それはさておき、528の驚くべき点は高速道路で非常にアグレッシブな走りかた をしても燃費が約10km/lも出るという事実です。これはすごいことです。5速ATの 威力のたまものでしょう。国産の3000-2500ccクラスの4速AT車で同じ走りかたを すれば間違いなく9km/lは切って8km/lくらいの燃費になることと思います。また東 京大阪間という長距離をぬわわ強で巡航して約14km/lと言う燃費も驚きでした。こ れは国産2000ccクラスをはるかに上回る燃費です。下手すると1600ccクラスより良 いかもしれません。(同条件でワンダーシビックSi(5MT)で12km/l、レグナ ムGDI(4AT)で15km/lほどでした。)
高速燃費と対極的なのが市街地燃費です。5.0−7.0km/lというのはちょっと 悪すぎのような気がします。良くも悪くも燃費が極端に振れる車です。

<付録:オンボードコンピューターの燃費表示は正確か?>
私の車の場合、オンボードコンピューターの燃費表示は正確です。ただし満タン方 より常に3−4%ほどよい値を表示します。つまり表示から3−4%悪い値が実際の燃 費になります。例えば表示が10.4km/lなら実際は10.0km/lということです。もし かして車によって多少の差があるかもしれません。満タン法のデータとコンピュー ターの表示の差を何回かとってみて皆さん自身の補正値を出してみてください。


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