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第14話 「燃料ポンプからの異音」

(作成:1997年10月16日 改訂:1997年12月14日)

(TEXT : そえそえ / E39 528i )

燃料タンクは後部座席の下にあります。燃料ポンプは燃料タンクに埋め込まれるよ うな形で燃料タンク左側にあります。燃料ポンプから送り出されたガソリンは車体 下左側のパイプを通りエンジンへと供給されます。みなさんも車体の下をのぞき込 み、この燃料パイプの位置を確かめ触ってみてください。きっと微妙な振動を感じ るはずです。この振動がほんの僅かで一定なら問題なし。引っかかるような振動や 脈動がある場合は要注意。振動に同期した音が室内にも侵入しているはずです。現 時点での対策はポンプ交換ぐらいしかありませんが、それだけでは完治しません。
ところがしばらく我慢してるとポンプに当たりがついたのか音は目立たなくなりま した。エンジンの慣らし運転がいらないのに、燃料ポンプには1万キロの慣らし運転 が必要のようです。


<異音発生>

3000kmほど走った時別件でしばらく入院させていたのですが、退院日に車を取りに 行きエンジンをかけると以前のアイドリングの音と違うのです。全体的なノイズが 大きくなったような感じがします。最初は気のせいかなと思っていたのですがどう しても府に落ちません。次の日も車で出かけたのですがやっぱり何かがうるさいの です。疑いながら音を聞くと通常の音に加えて”ガァーピー”という小さな音が混 じっているのです。この音は速度や路面状況とは一切関係なくずっと鳴り続けてま す。走り出すと他の音に紛れるのですが停車するととても気になる音です。運転し ながら聞いている限りではどこから聞こえてくるのかよくわからないので、駐車場 に停めてアイドリングさせながら音源を捜しました。
音は左後部座席足元から聞こえてきます。外に出て外から左後部座席足元を見ると そこには燃料タンクと燃料パイプがあります。そして燃料パイプを触ってみると。 。。。。ビンゴ!!音の周期とぴったり同調して振動しているではありませんか。 パイプ自体が振動する事はないでしょうからその辺りで怪しそうなのは燃料ポンプ しかありません。早速S氏に連絡。しばらくして車を修理に持っていきました。
ディーラーで症状を確認したところ原因はやはり燃料ポンプとのこと、燃料ポンプ を交換すると音は完治しました。


<異音再発!>

燃料ポンプを交換してからしばらくして横浜−大阪を往復したのですが、その帰り に横浜で高速を降りて信号待ちをしていると、ほんのほんのかすかに”ガァーピー ”という音が聞こえます。嫌な予感がしたのですが、翌日には音はさらに大きくな ってます。またかよ。。。。現在ポンプを交換してから1500kmほど走行しています 。前回は3000kmほどで音に気がつきましたから今回もあと1500kmほど走れば前回と 同じレベルになってしまうのでしょう。ポンプを交換していったん症状が消えたの に前回と同じペースで徐々に音が大きくなっていると言う事は、私の車に不良品の ポンプがたまたまついていたのではなく、ポンプの設計自体かポンプの取付け部分 に問題があるという事です。この異音は私の車に限ったことではなくE39−52 8すべてで起こる可能性が高いと思われます。
S氏によると、前回の修理時にBMWジャパンが”そのような症状は前例がない” といったそうです。この言葉は信じられません。それともみんな気がついてないだ けなのかもしれません。
それともごく最近の製造月の車だけの症状なのかな。。。。。


<追加調査>

個人的に調査したところやはり他の車でも音は出ているようです。ただし車により 程度にかなりの差がありほとんど聞こえない車もありますし、私の車よりひどいの もあります。当たりハズレの確率は2:1位です。E39の静寂性が非常に高いた め見えてきた問題なのでしょうが、きしみ音と同様で気になる音です。ほとんど音 が聞こえない”あたりの車”でも音はわずかに出ているので、安心はできません。
時間の経過とともに徐々に音が大きくなる可能性があります。ポンプ交換すると音 は一時的になおりますがすぐ再発するので対策としては意味がありません。私が思 うにポンプか周辺構造の設計改良が必要と思われます。


<その後の経過 1997年12月>

2回目のポンプ交換は10月に行いました。
案の定、2回目ポンプ交換のあとしばらくしてまた音が再発しました。メカニック さんに相談すると同じように音がでていて1万キロほど乗ったら音がしなくなった 人がいるとの事.そこで3000キロほど我慢して乗っているとあらびっくり.い つのまにか音が消えてしまいました.部品に馴染みがでて音が落ち着いたのかもし れません。だったら最初から部品のクリアランスをある程度広めに設計しておけば よいのに。まったく細かい点では融通のきかないドイツ人らしい設計です。彼らに とってこんな音は取るに足らないものなのかもしれませんね。
(この時の走行距離はほぼ1万キロぐらい。正確に言えば音が消えたというより脈動 しなくなった。音はむしろ大きくなったのだが気にならない音質に変化したという わけ。エンジンのアイドリング音が納車時より大きくなったため相対的に目立たな くなったのかもしれないが。)

ま、気になる音ではなくなったわけだから良しとしましょう。


<付録:故障に対するBMWジャパンの対応>

ディーラーがクレーム修理(つまり無料の修理)するためにはBMWジャパンにお 伺いを建てないといけないようです。頻発しているクレームに対しては、修理方法 も会計処理も決まっており問題なくクレーム処理が行われます。また前例があるも のについてもそうです。
しかし、今回のように明らかにクレーム処理すべきなのに 過去に報告事例がない場合は簡単ではないようです。最初はS氏とBMWジャパン の間ですたもんだがあったそうですが、最終的にはS氏の独断で修理作業を進めて くれて、明らかに燃料ポンプが原因であることがつきとめられたので、事後報告の ような形でクレーム修理する事ができました。S氏に感謝しています。この異音の クレームに関しては、私が前例を作ったのでみなさんは問題なく何らかの対応して もらえることでしょう。
(すぐに対策が施されるとは思いませんが、みなさんがクレームを上げることに より将来的には必ず解決策が見つかるるはずです。)


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