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第３９話 「Ｅ３９の車台番号と製造時期と納車月」
（作成：１９９８年６月１７日 改訂：１９９８年６月２６日）
（TEXT : そえそえ / E39 528i ）
この調査は私の単なる興味からはじまりました。車台番号っていったいなんな
のだろうか。長ったらしい名前だけど、どんな意味があるのであろうか。もし
かしてトラブルと関係のある製造時期とか、イヤーモデルの違いや細かいグ
レードも判別できるのではないだろうか。
車台番号の読み方だけならすぐでした。しかし製造時期を調べようとしたのが
大きな間違い。最初は簡単に情報があつまると思っていたのですが・・・。
大変な作業になってしまいました。
ま、ともかくある程度データーを集めることができたので発表します。いろい
ろ面白いことも判ったしね。文が長いので適当に飛ばして読んでもかまいませ
ん。時間がない人は結果のチャートとまとめだけでもいいかな。
１．車台番号の読み方
２．製造番号の様子
３．タイヤの製造時期に注目
４．タイヤの製造時期の見方
５．何とシートベルトに製造時期が
６．シートベルト調査開始
７．最終調査結果の内訳（結果チャート掲載）
８．シートベルト製造時期＝新車の製造時期
９．ミシュランは在庫管理がへたくそ？
１０．最近は売れてませんねえ
１１．納車月はバラバラ
１２．特別限定車のマジック
１３．まとめ
＜１．車台番号の読み方＞
私たちの車の情報は全て製造番号（車台番号）とともに管理されています。
ディーラーに行って製造番号を告げるとその車の履歴は一目瞭然です。製造時
期からロットからモデルやグレードはもちろん、修理の履歴まで管理されてい
るのです。では、車台番号の読み方から始めましょう。みなさんも確認してみ
てください。
車台番号は次のような17桁の数字とアルファベットからなります。
WBAoooo-xxxzzzzzzz
WBA.......
BMW-AGを指します。
WBS.......
BMW-Motor sportを指します。
oooo.......
Vehicle Description Section,車種情報,
DD42=E39-525i(RHD)
DD61=E39-528i(LHD)
DD62=E39-528i(RHD)
DE61=E39-540i(LHD)
DE62=E39-540i(RHD)
DH62=E39-528Touring(RHD)
xxx..........
日本仕様では意味なし。010とか0X0とかいうような数字・アル
ファベットが入る
zzzzzzz.....
製造番号。アルファベット2文字と5桁の数字からなる。
ちなみにディーラーでは下7桁の製造番号で車を管理しているようです。
配送中の新車には"BVooooo"とか"BRooooo"とかいう札がガラスに貼ってあるの
を良く見ます。
そこで私もこの方式を使うことにします。
＜２．製造番号の様子＞
最初の2文字のアルファベットは下記のようになっています。
アルファベットに続く5桁の数字は製造順に付けられているようです。
E39-525i(RHD)....
BVxxxxx(5桁の数字は00000から始まります)
E39-528i(RHD)....
BVxxxxx(5桁の数字は70000から始まります)
or GTxxxxx(98/5発売 400台限定モデル528iSpecial Editionから)
E39-528i(LHD)....
BRxxxxx
E39-540i(RHD)....
RWxxxxx
E39-540i(LHD)......
RUxxxxx
E39-528Touring.....
RZxxxxx
＜３．タイヤの製造時期に注目＞
車台番号のなかには直接製造時期は特定できる情報はありませんでした。そこ
で何か他に手がかりがないか探していたのですが。タイヤに製造時期が刻印さ
れていることが分かり、さっそく調査してみることにしました。
＜４．タイヤの製造時期の見方＞
製造時期の表示の仕方は、各メーカーで多少異なりますが、たいてい3桁の数
字で示されてます。
最初の2桁は製造週、最後の一桁は製造年をしめします。
たとえば、"028"なら1998年の第02週。"457"なら1997年の第45週です。
メーカーにより大きく分けて次のような2パターンがあります。
パターン1
"336""457""028"といった3桁の数字が単独でタイヤの側面に刻印されている。
パターン2
"XXXX336""XXX457"というふうに3桁の数字が他の数字やアルファベットの並びの最後に
刻印されている。（パターン１に製造工場などの情報を加えたもの）
ちなみにE39-528iの標準のコンチネンタルのタイヤはパターン1のタイプで、
次のような書き込みがタイヤ側面にあります。
"DOT LMT8 AXBU (xxx) 225/55/16...(省略）...Made in Germany"
(xxx)の部分に周囲とは違うフォントで3桁の製造時期が刻印されています。
＊注意！タイヤはなま物＊
またアフターパーツでタイヤを買う時には日付と保管状態を確認しましょう。
タイヤはなま物ですからね。食料品と同じで条件の悪いところではすぐ変質す
るし、ちゃんと賞味期限もあるんですよ。
＜５．なんとシートベルトに製造時期が＞
情報の提供を募ったとこと、ある会員の方にでシートベルトにも製造時期が書
いてあるという情報をいただき、さっそく調査対象を広げることにしました。
タイヤは製造後に交換する事があるかも知れませんがさすがにシートベルトの
交換は考えられません。かなり有効な手がかりになりそうです。そういえば
NHK特集でも、シートベルトのタグは車の製造時期の目安になると報道があり
ました。
＜６．シートベルト調査開始＞
シートベルトのシート側の端にオレンジ色のタグが縫い付けてあるのですが、
そのタグにシートベルトの製造時期が書き込まれています。
そえそえも早速自分のシートベルトの製造時期をみてみました。オレンジ色の
タグの端に"1996/46 1996/11"という数字が書き込まれています。1996年第46週で1996年
11月製造という意味です。タイヤは"456"つまり1996年45週の製造品ですから、そえそ
えの場合はタイヤの製造時期とシートベルトの製造時期は1週間の違いしかあ
りませんでした。
＜７．最終調査結果の内訳＞
こんな調子で、会員のみなさんや自前でディーラーをまわったりして。デー
ターを集めに集めて81台分！やっとそれなりのグラフが書けるようになりまし
た。内訳は次の通り。
528i(RHD)(34台)
528i(LHD)(15台)
528iTouring(RHD)(7台)
525i(RHD)(17台)
540(RHD)(2台)
540(LHD)(6台)
ここでは台数の集まった528i(RHD),528i(LHD),525i(RHD)のデーターを掲載し
ます。
縦軸 ： 製造時期
横軸 ： 製造番号（下２桁部分）
凡例 ：
◆新車タイヤ
▲シートベルト
■納車月
◆E39-528i(RHD)製造時期
◆E39-528i(LHD)製造時期
◆E39-525i(RHD)製造時期
＜８．シートベルト製造時期＝車の製造時期＞
どのグラフでも青の点がほぼ直線状に並んでいることに注目してください。つ
まり、シートベルトは新車の製造と同じペースで製造されています。また後に
製造された部品が先に使われるという事例は見当たりません。在庫管理がしっ
かりしているか、在庫を持たない方針なのかもしれません。
シートベルトが工場でどれくらいの期間在庫されているのか判れば、シートベ
ルトの製造時期から新車の製造時期が割り出せそうです。
ところで、ドイツから船で輸入する場合、船に乗っている時間だけで一ヶ月か
ら2ヶ月かかるのです。（35日という説もあるが、便によっては天候や他の積
み荷の関係で2ヶ月位かかる事もあるらしい）。その前後の検査・積み込み作
業・緒手続きの時間を考慮すると、どれだけ早くても製造から2ヶ月以内に納
車される訳がありません。
ところで上記のグラフよりシートベルト製造から納車まで2ヶ月しかかかって
ない車が何台も見受けられます。しかもこの車は特別な特徴を持つ車ではあり
ません。つまりシートベルトは新車の製造の直前に製造されて、工場に納品さ
れている様なのです。シートベルトの在庫期間はほぼゼロ。つまりシートベル
トの製造時期＝車の製造時期という図式が成り立ちそうです。
＜９．ミシュランは在庫管理がへたくそ？(タイヤの製造時期について)＞
528i(RHD)ではシートベルトと新車タイヤの製造時期はほぼ一致するというこ
とがいえます。つまり、新車の製造時期＝シートベルトの製造時期＝タイヤの
製造時期という図式が成り立ちそうです。（ただし一台だけ例外あり。製造番
号BV84406の車。BMWtokyoのアプルーブトカー。この車はコンチでなくミシュ
ランのタイヤをつけていた。スペアタイヤもミシュランだった。製造後に何ら
かの理由でタイヤを付け替えたのかも。）
528i(LHD)は製造番号こそ違いますが、528i(RHD)と全く同じ特徴を持ちます。
（またまた一台だけ緑の点がラインから外れてますが、これもミシュランのタ
イヤでした。BMWtokyoのショールーム展示車。）
525i(RHD)はシートベルトの製造時期(=新車の製造時期)とタイヤの製造時期が
ややずれています。528のようにはうまく行きません。そういえば525はタイヤ
がミシュランです。コンチと比べるとミシュランは在庫管理がうまくできてい
ないようです。
＜１０．最近は売れてませんねえ＞
消費税が５％になってから、車の売れ行きは落ち込んでいるそうですが。上記
のグラフにもそれははっきり出ています。顕著に判るのはサンプル数の多い
528(RHD)。線上に並ぶ青と緑の点の傾きが、97年初頭から急に変わっているで
しょう。97年初頭までは月1000台以上のペースで生産しているのに、それ以降
は月600台以下の生産ペースとなっています。
＜１１．納車月はばらばら＞
各モデルの納車時期に注目してください。製造は製造番号に対してリニアなの
に、納車時期はバラバラ。早い車で2ヶ月。遅いと1年以上たってから納車に
なっています。ＢＭＷジャパンが売れ筋の見込みを誤ったのか、ディーラーが
ジャパンに注文を出すシステムの欠陥なのか、理由は良く分かりませんが。と
もかく先入れ先だしのシステムにはなっていないようです。超売れ筋の528の
シルバーの同じ仕様でも2ヶ月で納車される車もあれば、一年以上残ってしま
う車もあるのです。
＜１２．特別限定車のマジック＞
とはいえ、通常は2ヶ月から6ヶ月くらいで納車になっているようです。半年
たっても残っている車は何らかの形で処分しようとしている傾向みうけられま
す。つまり、次にあげるような車は半年以上の長期在庫車の比率が高いという
結果が出ています。（長期在庫とはいっても、それだけで性能が落ちる訳では
ないので、お買い得だと思いますが）
１．特別仕様車
特別仕様車の中には長期在庫一掃セール的なものもあるようです。お得なオプ
ションをたくさんつけて（CDチェンジャー・木目パネル・本皮シートなどな
ど）お買い得な値段が設定されています。長期在庫だからって問題がある訳で
はありませんし、新車には変わりありません。ＢＭＷの場合年式でなく登録月
で下取りの値段が決まりますから、ユーザーにとってのデメリットはほとんど
ゼロ。ところが、在庫は売る方に取っては死に金になってしまいますから、叩
き売ってでもお金にしたいのでこういうセールが行われるわけです。私はこの
セールをねらうのはかなりお得だと思います。
（注）特別仕様車の全部が長期在庫というわけではありません。98年5月の
528Special Editionはガラスサンルーフや特別アルミホイール付きで、製造か
ら3ヶ月しかたってない出来たてでした。
ついでに製造番号もＧＴｘｘｘｘｘという特別なものでした。
２．長期在庫車(年式落ち)を承知で安く購入
年度末に大量に余った場合は、在庫一掃バーゲンセールが行われるようです。
特別仕様車はオプションでお買い得値段設定作戦ですが、こちらは現金値引き
勝負です。中にはオプション込みで値引き100万円を突破する人もちらほら。
３．ディーラーのセール車（長期展示車・長期在庫車を処分）
時々セール品が出てますね。新車には変わりませんが。シート等には多少へた
りがあるかも。それさえ気にしなければかなりお買い得かもしれませんね。
４．ディーラーの試乗車や営業の車を中古車として放出
売れ残った新車をディーラーの試乗車や営業の車として出すのは、日常的なこ
との様ですが、この手の車はすぐにアプルーブド市場にまわります。きわめて
新しい中古車や走行距離が数千キロの中古車はほぼ間違いなくこのたぐいと思
われます。数千キロとはいえ酷使された車ですから、車の履歴やエンジンや内
装の様子を確認した方が良いと思われます。とはいえ、走行数千キロで一年未
満の車が100万以上安くて諸費用も非常に安くつくのでお買い得かもしれませ
ん。
＜１３．まとめ＞
１．車台番号は車の履歴書
２．車の製造時期はシートベルトの製造時期からだいたいわかる。
３．製造から納車までの時期はバラバラ。最低2ヶ月。4ヶ月以上の場合は流通
過程のどこかで在庫されていたものと思われる。なぜそういう事になるのかは
不明。
４．特別セールの車は半年以上の長期在庫車が多い。
（だからといって品質が落ちる訳ではないですが、あらかじめ知てっおいた方
が良いでしょう。）
面白い調査でした。みなさんご協力有り難うございました。
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