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第5話 「第1回Z1オフミ&大放談会の模様」
(作成:1998年7月28日 改訂:1999年2月15日)
(TEXT : 三四郎 / Z1 & E36-328i )
(PHOTO : ひろぞー / Z1 )
皆さんこんにちは、三四郎です。
さて、先日、第1回Z1オフミ&大放談会を開催しましたので、皆さんのZ1
への惚れ込みようを座談会形式でお伝えしたいと思います。
今回はアルピナZ1にお乗りの、No.823 ひろぞう さんご夫妻、同じくアルピナZ1にお乗り
のNo.1844 SNOWさんご夫妻が参加されたんですが、ほんとに楽しいひとときでした。
なお、Z1に惚れ込んでいる面々の好き勝手な放談ですので、文中に行き過
ぎた発言等ありましたら、何とぞご容赦ください。
対談場所:梅雨の合間の日曜日の午後。海の見える銀座から5分の某ガーデンレストラン
■Z1親ばか大放談会
(三四郎)
はじめまして三四郎です。今日は我が国のBMW愛好家の歴史に残
る(大袈裟か)、おそらく初めてのZ1ミーティングの開催となった訳です
が、普段は話相手がいなくてなかなか話せないZ1に対する熱いハートを思う
存分に語って頂ければと思います。
■Z1の魅力
(三四郎)
さて、Z1の魅力って、あの小さなサイズと他にはない革新的な車
という点だと僕は思うのですが・・
(Mrs.SNOW)
あのドアですね。何が好きって、あのドアが一番好きなんです。
(三四郎)
開けたまま走ると、ほんと気持ちいいですよね。
(SNOW)
風と戯れて、風になる感じですね。皆さんは観光地とかで人が寄って
来ること経験ないですか。ドアを見て、えっ、て感じで。
(Mrs.ひろぞー)
ありますねぇ!ガソリンスタンドでも、なんだこのドアは
?、って感じですよね。
(SNOW)
ドアがない!
(ひろぞー)
「さっきのドア、どこ行っちゃったんですか」って言われたり。
(Mrs.SNOW)
「これ、ドアの無い車なんですか」なんて聞かれちゃったり。
(SNOW)
「ウチはね、ドアも無いしクラーも無いんです」って言うんです・・。
(一同)
笑。
(三四郎)
話題のドアですが、僕のは運転席側のドアが外のボタンを押しても
閉まらないときがあるんです。皆さんはトラブルは無いですか?
(Mrs.SNOW)
ベルトを1回換えてます。
(SNOW)
あのドアですが、サイドシルに引き込まれるときに、ドアの表面につ
いた埃や砂粒なんかを挟んでしまうので、どうしても縦に傷が付いてしまうん
です。これは避けられないですね。
(ひろぞー)
なるほど。
(SNOW)
ガルウイングのドアを持った車はこれからも出るかもしれませんが、
あのスライドするドアはもう出ないでしょう。ウチは、この車を博物館に入れ
る気はないから、いつもZ1を楽しんで乗ろうという気持ちで走ってます。
(Mrs.SNOW)
このZ1は、私たちが生きているうちに使い切って後世には残さ
ない。
(Mrs.ひろぞー)
これは昔、ガソリンで走っていた車なんだよ、と。
(三四郎)
そですね。石油が枯渇するまで、あと20年くらいでしょうか。そ
のうちスポーツカーにも乗りづらい時代がくるんでしょうね。
(Mrs.SNOW)
Z1って、しばらくは日陰に隠れた存在で知る人ぞ知る車だった
んですが、Z3の登場のお陰で最近俄かにクローズアップされてますよね。
(三四郎)
そうそう、それはヨーロッパでも一緒で、今、Z1を評価する声が
高まっているらしいんです。発表当時は独特のボディ構造などハイテクイメー
ジが前面に出ていたんですが、小型のオープン2シーターとしてZ3があれだ
け成功して、振り返ってみればZ1があったじゃないか、ということでコレク
ターの間では人気が出てきているようです。数が少なかったのでしばらく忘れ
去られていた感じがありますよね。
(SNOW)
M1やZ1は、2代目が出ない唯一無二の存在ですよね。
(三四郎)
そうですね、なんたって「1」ですから。それにしても、どうして
BMWで「1」の付いたモデルは薄幸というか・・数が少なくて何となく悲運
のようなものが漂っているように思われるんです。そして、MもZも「3」で
花開いている。不思議なものを感じます。
(一同)
うーん。
(三四郎)
皆さんも、相当な惚れ込みようですね。
(ひろぞー)
次に買う車がもう無くなっちゃった。何といっても楽しいですよ
ね。しかもプロポーションが独特でしょう。あれだけ思い切ったデザインの
車って最近無いですよね。
(一同)
うーん、無いねー。
(Mrs.SNOW)
ところで、Z3の顔はインパクトがあるというか、遠くからで
も、来たなってすぐにわかりますね。
(ひろぞー)
Z3と並んだりすると、オーナーの方はZ1を見て「おや?何か
変なのが来たなぁ」っていうような視線で眺めてる方が多いですね。
(Mrs.SNOW)
忘れ去られていた存在ですし、ちょっと顔が大人しいですかね、
Z1の方が?
(三四郎)
Z1の方がボディラインも滑らかで顔も大人しいと思います。それ
に比べるとZ3は個性が強いですね。
(Mrs.SNOW)
そうですね。
(三四郎)
Z1って幌を架けたときの格好がまたすごくいいじゃないですか。
(Mrs.ひろぞー)
横から見たプロポーションが綺麗ですよね。最近の車には見
られないプロポーションだと思います。
(三四郎)
良くも悪くも、とてもクリーンなデザインですよね。だから古くな
らなくて、知らない人が見ると最近出た車だと思ってしまうんでしょうね。
■Z1の乗り降りなど
(ひろぞー)
Z1って乗り方、難しいですよね。
(三四郎)
とくに幌が掛かってると大変ですね。
(SNOW)
僕は、サイドシルに腰掛けて後から足だけすっと入れるんです。
(三四郎)
それが一番エレガントですね。
(Mrs.SNOW)
でもスカートのときは気になっちゃうんです。
(SNOW)
話は変わりますが、あのシート独特なんですが、コストが掛かってい
て2度と作れないそうです。あのシート1脚で、普通の3シリーズの前後フル
セット買えるそうなんです。だから、もしもZ1を手放す時にはシートだけは
外しておいた方がいいですよ。
(ひろぞー)
SNOWさんの車、最初から全てレザーなんですね。僕のは布なんで
すが、雨がかかったりして結構染みになるんです。
(Mrs.SNOW)
そうですね、Z1はサイドが張出していて、屋根が小さいから乗
り降りのときに雨が全部車の中に落ちちゃうんですよね。
(三四郎)
なるほど、そう言えばZ1はサイドシルが厚くて、最近高速道路で
増えている自動発券機は左ハンドル用のブースでも、一杯に寄せて思いっきり
手を伸ばさないとボタンが押せないですね。これはちょっと不便な点ですね。
■アルピナエンジンの魅力
(ひろぞー)
以前はユーノスに乗っていたので、多少音がうるさくてもいいか
と思ってましたが、Z1に乗ってしまうと静かな車はいいなぁと、あの6気筒
エンジンの回り方はすごくいいと思います。
(Mrs.SNOW)
ひろぞーさんの車は、まだ1万4千Kmくらいですから、これか
ら慣らすつもりで、ガンガン回した方がいいですよ。最初、私が買った時も大
人しく乗っていたんですけど、ある日菰田さんに言われて、「とにかくアルピ
ナのエンジンは回してあげなきゃだめだから下のギアでガンガン高回転で回し
なさい。そうすれば絶対に音も変わるし」って。「でも菰田先生、もう1万k
m以上乗ってるんですよ」って言ったら「関係ない。ドンドン回すんです」っ
て。そしたら音も変わって・・
(ひろぞー)
だけど燃費はすごく悪いでしょう。リッター4km位?
(Mrs.SNOW)
悪いです、ほんとに。ガソリンがあっという間に無くなっちゃう。
(ひろぞー)
高速ではすごくいいですよね。10Km位は行く。
(SNOW)
今は随分燃費いいよね。
(Mrs.SNOW)
落ち着いてきたのかな。
(SNOW)
慣らしが終ると、あとは燃費は良くなりますよ。慣らしの最中だけは
悪くなりますけど・・
(三四郎)
僕も買った時は猫可愛がりしてエンジンも上まで回してなかったん
ですが、お約束のタイミングベルトを交換してからは時々上まで回してます。
意外と壊れないですよね・・
(Mrs.SNOW)
壊れないですよね、ほんとに。
(SNOW)
皆さん、すごい心配するんですけど、もともとアウトバーンを走って
る車なんだから、って言うと納得されるんです。
(一同)
うーん。
■エアコン
(三四郎)
ひろぞーさんの車はエアコンが付いてますね。これからの季節、羨
ましい。
(ひろぞー)
そうなんですけど、後付けのようで買うときも何か僕の美意識に
合わなくて気になっていたんです。でも、車好きな友人に相談したら、「そん
なの気にするな。これはもう、おまえ買え」と。「ポルシェはいつでも乗れる
けど、これは今しか乗れない」って言われて・・
(SNOW)
エアコンがあると梅雨のときにも快適に走れるからいいですよ。この
季節は雨が降ると曇りが取れなくて大変ですから。ヒーター入れる訳には行か
ないですからね。
(Mrs.SNOW)
今の時期、ファン回すと熱風がガンガン出てきますよね。
(三四郎)
涼しい外気を取り入れようとして、ヒーターの温度目盛りを一番青
にしてもダメですね。
(SNOW)
ウチの車、エバポレーターがおかしいんじゃないかって2回交換して
るんです。でも、全く一緒でした。
(三四郎)
結局、車内に空気を取り入れるダクトのところがエンジンルームの
熱で熱くなってしまうからなんでしょうね。
(Mrs.SNOW)
構造的にダメなんでしょうね。
(三四郎)
夏場は乗るのに気合いが要りますね。
■洗車
(ひろぞー)
洗車とかどうしてますか?
(SNOW)
全部、私の仕事です。
(一同)
笑。
(Mrs.SNOW)
最初、ボディが特殊なプラスチックなので、塗装が持たないって
言われたことがあるんです。それで、一度知り合いの板金屋さんに、「コー
ティングとかした方が持ちますか」って相談に行ったら、「コーティングなん
かするより、こまめに汚れを落としてシュアラスターを掛けてるのが一番持つ
よ」って言われました。
(ひろぞー)
三四郎さんは何かやってます?
(三四郎)
買ってからはコーティングとかは何もしてないです。実は雨の日に
は1度しか乗ったことがなくて、まだ水をかけて洗車したことがないんです。
走った後に絞ったセーム皮で埃を落とす程度です。
(SNOW)
絞ったセーム皮では拭かない方がいいですよ。水でざーっと流して、
ムースでザブ、ザブ。硬く絞ったムースで軽く叩くように拭き取るんです。
(ひろぞー)
擦っちゃいけないんですね。
(三四郎)
たしかに、最近細かい傷が付いたような気もします、グスン。
■BMWのフィーリング
(三四郎)
普段は右ハンドル、ATの3erのセダンに乗っていて、左ハンド
ル、MTのZ1とはかなり違う筈なんですが、乗換えても運転のフィーリング
に全く違和感がないんです。これは不思議です。SNOWさんはE36のM3も
乗ってらっしゃるんですが、Z1とM3を比べて如何ですか。
(SNOW)
うーん、例えば峠を走るでしょう、どっちが面白いかってなかなか言
えないんですよ。それぞれに面白いっていうのが正直な言い方で・・
(Mrs.SNOW)
日光のいろは坂は絶対にM3の方が楽しいです。もう、ガンガン
に抜きまくって・・。
(一同)
おおー。
(Mrs.SNOW)
普通にゆっくり走るんだったら、Z1の方が楽しいですね。た
だ、峠の上りでは2速だとすぐ吹けきっちゃうし、3速だと息ついちゃうんで
すよ。
(SNOW)
碓井峠なんかがそうなんです。
(Mrs.SNOW)
でも、のんびり景色楽しみながら走るんだったら、絶対にZ1に
勝る物はないですね。Z1だったら、スピードを出さなくっても楽しいです。
(SNOW)
でも、いつもカッ飛んでますよ。
(一同)
笑。
(ひろぞー)
高速での安定性はすごいですね。ドイツ生まれのせいで、気持ち
良く乗れる速度域が相当高いですよね。日本の高速道路の速度域ではちょっと
神経質な感じがするときがありますね。
■インターネット、BOHP
(SNOW)
恥ずかしいんですが、インターネット初心者なんです。テレビのドラ
マでインターネットしているシーンがあって、なんだ簡単そうだなって思って
始めたんです。それで「おったきーず」にアクセスしたんですが、最初は文字
化けして読めなかったんです。そのまま、あちこち見ていて「Z1」の文字だ
け化けていなくて、これはもう絶対に見たい。それで文字化けしないで見るた
めには会員にならないとだめなのかって思って、登録のページらしきところを
見つけたんですが、これも文字化けで登録の仕方が分からない・・。これは凄
いクラブなんだと思ちゃいました。
(一同)
笑。
(SNOW)
それで色々やって、読んでみたらZ1の病気にかかった人がいてすご
く面白かった。
(Mrs.SNOW)
あの文章は感動しましたよ。
(ひろぞー)
Z1への思い入れがたっぷりですよね。
(三四郎)
うーん、恥ずかしい。でも、中橋会長の勧めでBOHPにメンテ
コーナーを持たせて頂き、こうして見知らぬお二人の方から熱いメイルを頂
き、記念すべきZ1ミーティングが開催された訳で、BOHPの力は凄いです
ね。話が尽きないんですが、続きは次回ということで、今日はありがとうござ
いました。
■おまけ(三四郎のZ1、アルピナZ1比較試乗レポート)
ところで、大放談会の後はそれぞれの車に試乗することになったんですが、世
界で66台のうち2台ものアルピナロードスターに1度に試乗するという望外
の経験をさせて頂き幸せでした!
以下、ちょっと、アルピナZ1のインプレを。
ノーマルに比べて排気量が増えていて、低回転からトルクがあるため、200
0回転位からシフトダウンせずにアクセルを踏み込んでもかなり鋭い加速が得
られます。
乗った感じで自分のノーマルのZ1と一番違うと感じたのはやっぱりこの低速
トルクの厚みでした。
パワーの絶対量?の感覚は、普段乗ってる328の感じに近いものがありました。
でも、328のM52エンジンはもっと下の回転を重視していて出足こそ
鋭いのですが、レッドゾーンまで自ら回りたがるようなアルピナのエンジンと
は違って、回してもそんなに劇的なピークはきません。
それに比べると、アルピナのエンジンは3000回転を越えた辺りから、2次
曲線的に駆け上がっていくような感じがとても強かったです。
もちろん、ノーマルのM20も最近のバルブタイミングを可変させるエンジンに比べれば、
トルクの山谷がはっきりしている方ですが、アルピナのほうが、さらにその辺の
色気?というか・・気持ち良さが、はっきりしてました。
足回りも、タイヤサイズから想像していた以上にしなやかなものでした。
アルピナマジック、とは良く言ったものですね。
ほんとに驚きました。
さて、2台のアルピナを試乗させて頂き、自分の車に戻った時に、どんなふう
に感じるかなぁ?、とちょっと心配だったんですが、ひろぞーさんが評されて
いた、「素材の美味しさ」と言うんでしょうか、パワーも控えめで足も柔らかく、
全体的に軽快な感じでした。
いつも全開加速をする訳ではないので、これはこれで十分なのかなぁ、と思いました。
まあ、考えてみれば、アルピナがオリジナルのZ1のエンジンとサスをリファ
インしたんだから、当たり前のことなんですが、自ら実感できたのが嬉しかったです。
欲、いやいや、夢を言えば、アルピナとノーマルのZ1の2台があってもいいなぁ、と思ってしまいました。
■終りに
いやー、ワンメイクのミニオフミということで話題が濃くて楽しかったです。
大放談会のあとは、3台のZ1の乗り比べという贅沢な時間を過ごし、折りか
ら降り出した雨に急き立てられるように解散となりました。
Z1は少ない車ですが、会員名簿を拝見しますと、BOHP会員でZ1にお乗
りの方は他にもいらっしゃるようですので、よろしかったら是非メイルを下さ
い。ご一緒に交流の輪を広げて行きませんか?
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