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第24話 「E34 マイナートラブル編(その6)」
(作成:1999年6月4日 改訂:1999年7月27日)
(TEXT : 浪花の恭平 / E34 535i )
1.特定速度域で振動発生!
これは、へたりの出始めたノーマルショックとサスをビルシュタインショック及び
アイバッハサスに交換したレポートを第13話でお話させて戴いたのですが、実は
、その後に特定速度域(80Km/h〜100Km/h)で振動が発生し、約半年
の間、悪戦苦闘し、解決に至ったレポートです。
もちろん、振動にも色々ありますが、言うならば『貧乏ゆすり状態』です。単にス
テアリングに感じる程度のものではありません。
まず、素人の私が考えられる原因として、
@タイヤの組み替えも行なっているので、タイヤ(ホイール)バランスが狂っている。
A足廻りの改造によるアライメント(トゥ、キャンバー、キャスター角等)の狂い。
B駆動系よりの振動。(ドライブシャフトのねじれ等)
Cゴム(アッパーマウントやエンジンマウント、及び各ブッシュ類等)系の劣化によるもの。
等が有りそうです。もちろん、その複数の原因が重なっている可能性も当然有りです。
まず、@とAについては、当然、足廻り交換作業時に測定及び調整を行なっている
もので有り、当初は原因候補から外していました。そこで、ディーラーに相談を持
ち掛けたのですが、やはり、原因を一つずつつぶして行く以外に方法は無く、数日
の入院が必要である事、及び振動が止まる迄、見込みで部品(ここではブッシュ
、マウント類)を交換して行く事を告げられました。でも、これって費用がいくら
掛かるのか解りませんし、いつ退院できるのかも解りません。
そこで、ディーラーへの入院は最後の手段にする事とし、@とAをもう一度やって
みる事にしました。(もちろん、クレームとして対応してもらいますが。)
まず、@のホイールバランスですが、今回はハブのみ固定させて回すのでは無く
、5ホールをすべて締込み、より実車の状態に近づけて測定してもらいました。
結果は、若干のぶれが有った為、錘の貼り直しを行いました。
早速、試乗しましたが、結果は同じでした。
くそー、残念無念!残るはAのアライメント測定及び調整か。
ショップに予約を取り、入庫。テスト走行も含めて約4時間の入院が必要との事。
早速入庫し、待つ事約5時間。終わりましたとのTELが入り、急ぎショップへ。
ショップのメカニックいわく、「若干、フロントに狂いはありましたが、特に問題は
ありません。試乗しましたが、ステアリングの振動は感じなくなりました。ただ
、問題の速度域で、妙におしりがふらつきますね。車全体が揺れていると言うか跳
ねているみたいに。」との事。
ちょっと待ったれ待ったれ...それが問題なんですよ。だから調整に出している
のに...。説明の仕方が悪かったのかなぁ。でも、車全体がふらつく程の振動が
あるのに、「問題ありません」は無いでしょう。
でも、ひょっとしたらと思い、自分で乗ってみますと、ああ、だめだ。同じだ
...。
非常に落ち込んで家路につく浪花の恭平であった。
あーー、いよいよ入院か!
そんな時、ふと仕事の途中に昔レガシーに乗っていた頃、お世話になったタイヤシ
ョップが。
よし、だめでもともと。もう一回ホイールバランスだけ取ってもらおう。(こちら
は当然ながら有料作業です。)
と言う事で、これまでの経緯を説明し、意味がありそうならやってくれとお願いし
たところ、「一度見てみます。」と引き受けてもらいました。
待つこと1時間程、ショップの方いわく「狂ってますよ。四輪とも。全部15g程
。」「えーー!?」「内側の錘はOKですが、外側に指示されている錘を考慮されてい
ないですね。」「...。」
と言うことは、つまり、これまでお世話になっていたショップはホイルバランサ
ー(こんな名前かな?)の使い方を知らないって事?お客は私だけでは無いでしょ
うに。機械設備に人間がついて行っていない典型的な例だな、これは。
とりあえず、期待と不安を抱きながら早速試乗。
時速60km,70km,80km,さあいよいよ問題の速度域だ。なんか、緊張
する...。
90km/h おお、振動しない!完全に止まっているではないか!
90km,100km,ぬぬわkm,ぬふわkm....ぬよわkm...おいお
い、やりすぎ!
すべての速度域において、ほぼ完全に振動は感じなくなりました。
当初、80Km/h〜100Km/hの間のみの症状だと思っていたのですが、実
はほとんど全速度域において多かれ少なかれ影響してたみたいです。ふわふわから
どっしりへと。がらっと、車の安定感が変わりました。
しかし、本当にこれが同じ車かと思える程、非常に安定した、そう、路面に吸い付
く様な走りになり、今までの状態は何だったのかと、2度と取り戻せない時間の無
駄が非常に悔しい思いの浪花の恭平であった。
以上、この件は一件落着。総費用:¥4,000と消費税と半年間の悩み代金?
2.右後方ドア付近より風きり音発生!
ぬふわKm/hを超えたあたりから、右後方よりかなり大き目の風きり音が聞こえ
てきます。
これは、購入当初から気にはなっていたのですが、スタイリッシュなE36クーペ
等ならいざ知らず、フロント垂直カットのE34なら、ある程度仕方の無い事とあ
きらめていました。
しかし、ある日の事、友人のE34の後期型に乗る機会が有り、その速度域での風
きり音がまったく無いことを体験しました。
うーーん。何が違うんだろう?
そこで、まず疑ったのが「ドアミラー」です。明らかに前期型と後期型では形状が違
います。
前期型では根元から太い形状ですが、後期型は、根元は細く、いかにも空気抵抗が
少なそうです。
これは、後期型のミラーに交換するしかないなと思い、早速、BOHPメンバーの
板金太郎さんこと深澤社長に相談したところ、『あまり聞かない現象ですね、どう
しても気になる様なら後期型のミラーに変える事は可能です。ただ、一度、音源あ
たりの隙間らしき所をすべて目張りしてみてはどうですか。』との助言を戴きまし
た。
−−>その節はお世話になり、有り難う御座いました。>板金太郎様。
そこで、助言に乗っ取り、まず私が行なったテストは、
@左右のドアミラーをたたんでの高速度走行。(うーーん、ちょっと恐い。)
Aドアの隙間に粘着の弱い養生テープをはっての高速度走行。(うーーん、カッコ
悪い。)
さて、結果は、
まず@では、変わらず。風きり音の大合唱です。あーー、恐かっただけでした。残念。
つまり、ミラーの形状の問題ではなかったのか。引き続き次の実験へ。
Aでは、おーーーっと、止まりました!!でも...あっちこっち貼り過ぎてどこ
が本丸か解らない!
そこで、すこしずつテープを剥がしている時、『あれ、何か変だ。』と感じ、反対
側と見比べてみると、リアドアのはめ殺し窓の後ろのラバー部分が逆に重なってい
るではないか。つまり、右前のはずが左前になっているのです。
何故そうなったのか原因は全然分かりませんが、考えてみれば、これでは風圧(か
なり高めの)をかければゴムが浮いてきて風きり音を発生するのは当然です。
さっそく、手直しし(文字通り手直しです。手でほんの5分くらいで簡単になおり
ましたので)、試験走行をしました。
結果は、
完全に音が止まりました!
いやー、実にくだらない理由だった。これは振動より長く1年以上も悩んでいたの
に...。
まるで半開きの窓を閉めた位の差です。これにて一件落着です。
総費用:¥0とミラー無し走行の恐怖料と1年以上の悩み代金?
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