[メンテ21]  (←前) (次→)

第39話 「ALPINA B10−3.5/1、最後のメンテ」

(作成:2000年5月31日 改訂:2000年6月5日)

(TEXT & PHOTO : 浪花の恭平 / E34 ALPINA B10-3.5/1 )


前恭平号、ALPINA B10−3.5/1、最後のメンテ記事です。

現在は、全損によりその勇姿は既に有りませんが、事故を起す以前にその修理の様 子を撮っておりました。
捨てるのも忍びがたいので、B10最後の栄光の?メンテ記事としてUPします。

それは...LLCの漏れが止まりません!!

駐車場の床に薄っすらと緑の液体が溜まっています。
うーーん、奇麗だ!...嘘。
通常、原因箇所としてはホースラインやそのジョイント部、及びラジエーターやウ ォーターポンプからが一般的でしょう。サブタンク回りも含め、念入りにチェック を行いました。
し、しかし...
世の中、そんなに甘くありませんでした。(^^;
なんと、なんと!漏れの発生源はエンジンブロックから、しかも作業性の悪い6番 側からでした!!
やっとオイル漏れから開放されたとの喜びも束の間...うぅ...もう、いや!
この車って頑丈なエンジンに定評があるBMWじゃ無かったの?(^^;

ま、愚痴ってても治りませんので、気を取り直して早速外科手術の開始です。


ALPINA B10-3.5/1


シリンダーブロック側。向かって右から1番、2番...6番。
今回は6番シリンダー側からLLCが漏れていました。
直6はその構造により、どうしても6番側に痛みがくる様です。
やはりオイルポンプ及びウォーターポンプから一番遠い為、循環効率が悪いんでしょうか。
熱も一番こもりやすい様です。
ちなみに右にみえるのが交換不要?のチェーン式のタイミングベルトです。


ALPINA B10-3.5/1


シリンダーヘッド部分。外して裏返して撮影してあります。
手前に見えるのが、問題の腐食部分(6番側)です。
どうやら厚みの中央部分で止まっている様子。研磨だけででいけるのか?微妙なと ころです。
あと、ガスケットの痛み具合に注目。(^^;
これじゃ、LLCが漏れるのは当たり前ですね。変に納得してしまいました。(^^;
また、茶色く見える穴は冷却水の通り道、黒く見える部分はオイルの通り道です。


ALPINA B10-3.5/1


同じくヘッド側。磨いた後ですが、それでも腐食部分がくっきり判別できます。
この後、より細かな研磨が行われました。
また、余談ですが写真のヘッドの削り方がALPINAの特徴、半球型の削り出しです。
吸排気バルブもベースエンジン(3.34M.J1)に比べかなり大きい様です。
また、ピストン、カムシャフト(写真には写ってませんが)もALPINAオリジ ナルの物です。
もし、研磨だけで止まらなければ、ヘッドの交換となってしまいます。
ALPINAオリジナルの為、その金額、納期を考えると...
へたすりゃSOどころかワンオフ?ゾーーーーとします。

しかし、処置が早かった?おかげで、研磨及びガスケット交換だけで漏れは完全に 止まりました。(^0^)//
ほうっておいたらシリンダーヘッド及びブロックの総交換になっていたかもしれません。
やはり、一日一回はエンジンルームは覗く必要が有りそうですね。(^^;
あ、もちろんバラしたついでに、あちこちのカーボン落としは完璧に行いました。

皆様も漏れる『液体』には注意しましょう!

次回からは新恭平号 初期型E34−M5の、それは恐ろしいメンテ記事をUP致します。
あーーー!ネタに困らない...なんちゅうこっちゃ!!(^^;


[メンテ21]  (←前) (次→)