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第82話 「息つき対策レポート」
(作成:2002年12月19日 改訂:2003年1月17日)
(TEXT & PHOTO : Kat / M5)
「息つき対策」の報告です。
症状:1500〜2000rpm前後でパワーの出方がリニアじゃなくなったなか?
程度だったのが夏の渋滞に巻き込まれた後などは明らかにパワーの低下が
感じられるようになり、いわゆる息付きの症状がはっきり出てきました。
ただしそれ以上の回転域ではまったく支障なくトップエンドまで
ストレスなく回ります。
<調査>
@プラグの燃焼状態チェック。
全体的にカーボンでしょうか湿った黒いものが付着しており、3番、4番プラグ
は特にベッタリという感じでした。
Aということは電気?と推定できますが、念のためインジェクターも
チェックしました。
動作音にバラツキもなく、非常にきれいな状態でした。
インジェクターは、よく観察すれば簡単な構造ですが、外しにくいので無理
な力をかけて最悪燃料漏れなどの恐れもあるので、あまりやらないほうが
良さそうです。
Bイグニッションコイルの抵抗値(0.4〜0.8Ω)は正常ですが、よく見ると
細かいクラックが入っています。
特に3番4番が酷い訳ではないのですが、ベントレーマニュアルにも
クラックが見つかったら交換みたいなことが書いてあったので、
思い切って全部交換します。
Cダイレクトイグニッションコイルへの給電もチェックしてみますが、
こちらは問題なし。
Dプラグソケットを見ると3番と4番にオイルが結構付着している。
プラグの先端に接触する部分まで回っているので、これが直接の原因と判断し、
とりあえずお掃除をして戻してみると、ビンゴ!!
症状はすっかりなくなっています。
E一ヶ月程様子を見ていると再発。
再度確認してみるとやはりプラグソケットにオイルが付着しています。
さてはカムカバーのガスケットか、この際だからみんなリフレッシュだ!
<部品購入>
購入部品は以下の通りですが、全部国内で調達するとお高いので、
某HPのサービスを利用してドイツより輸入しました。
イグニッションコイル、スパークプラグソケット、スパークプラグ各6
ガスケット大x1、ガスケット小x3
ディーラーでも嫌な顔もせず部品を売ってくれますが、計算すると
消費税込みで¥13万近くなってしまいます。
個人輸入ですと送料、税金を含めてほぼ半額で済みました。
<作業>
作業まずはトップカバーを外します。
これはマグネシウム製なのでとても軽い。
ダイレクトイグニッションコイルが現れます。
次にコイルやハーネス類をはずします。
さて御開帳。すごいシンプルで剛性感あります。
外したプラグソケットと形が違うじゃん。
まっ、いいか。なんとか組み立て完了。
注意点は、
ベントレーマニュアルにはカムカバーの締結トルクが10Nmと書いて
ありますが、緩めた時の感触と比べると妙に緩い感じたので、
倍くらいのトルクをかけてしまいましたが、今のところ問題はなさそうです。
重要なことは均一にトルクをかけるとでしょう。
<結果・反省>
以上の作業により、M5本来のフレキシブルでウルトラスムーズな
回転が復活しました。
原因を突き止め、問題を解決して本来の調子が戻った時の喜びは
なんとも表現できません。
反省点としては、怪しい部品を積極的に交換してしまいましたが、
貧乏サラリーマンとしてはまずガスケット交換とプラグ及びプラグ
ソケットの清掃で様子を見ても良かったかなと思います。
それなら、ディーラーから部品を購入いても¥1万程度で済んだはずです。
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